JAL植木社長、羽田国際線9万回化に期待-発着枠は「公平な配分」を

  • 2013年5月30日

 日本航空(JL)代表取締役社長の植木義晴氏は、5月30日に開催した記者会見で、羽田の国際線発着枠9万回化について「羽田国際線の日中枠は、航空会社にとっても、国民にとっても貴重なもの。しっかり活用していきたい」と意気込みを示した。

 同氏は国際線発着枠の配分について、アライアンス間の競争などにも大きな影響を与えることから「世界的に公平性が求められる」点を強調。「オープンスカイ協定やATIの枠組みそのものが歪められるような決定はあってはならない」と語った。

 JLに対しては、国土交通省交通政策審議会航空分科会の公的支援に関する競争政策検討小委員会がこのほど、企業再生と公的支援のあり方に関するガイドライン案について報告書を取りまとめたところ。この中でJLへの公的支援に対し、「競合他社との間の健全な競争環境の確保への配慮に欠けていたことは否定できない」との指摘があった。

 これに対し、植木氏は、現在の競争環境については「適切であるという話があったというように理解している」と説明。「今後とも健全な環境が保たれるなかで、お客様の利便性に資する適切な競争を我々もしていきたいと考えている」と述べた。

 今後は羽田の9万回化拡大に向け、適切に準備を進めていく方針だ。成田との路線の兼ね合いについては「国土交通省と話し合いを進めながらやっていく」とコメントするにとどめた。