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アクセスランキング、1位はエアアジアの成田/台北-「挑戦」も

[総評] 今週の1位は、エアアジア・ジャパン(JW)が成田/台北線を開設するという記事でした。先週の当欄(リンク)でも触れたゴールデンウィークの利用実績ではピーチ・アビエーション(MM)とジェットスター・ジャパン(GK)に水をあけられたJWですが、当初計画通り積極的な事業展開を進めています。

 この記事についてTwitterで投稿されたつぶやきを見ますと、早朝6時30分に成田空港にいなければならないことがネックという声が多いようですが、「安く行ける」というLCCのメッセージの強さ、伝わりやすさは抜群の高さを維持しているようです。

 LCC関連では、成田国際空港の決算も6位に入っています。2期ぶりに増収増益となり、純利益は民営化後の過去最高を更新したという内容ですが、記事でもご紹介した通りLCCの効果はかなりの規模で出てきています。2013年度では、成田を発着する旅客便のうち国内線は3本に1本、国際線は10本に1本弱がLCCとなる見込みということですから、今後も成田の業績に貢献する度合いは増していくと考えられます。

 思えば、2010年10月に羽田空港が再国際化した段階で成田の空洞化が懸念されていたわけですが、その1ヶ月前に全日空(NH)がLCC事業の開始を発表しており、それからあっという間に3社が運航を開始し、空洞化どころか業績を押し上げたということは非常に興味深いものです。

 もちろんLCCが好業績の全要因ではなく、空港側の営業努力による部分も大きいでしょう。以前は就航を希望しながら実現できない航空会社がいくつもあったわけで、「成田空港が自ら路線誘致に乗り出している」こと自体がメディアに取り上げられたこともありました。その意味では、適性な競争が良い効果をもたらす好例といえそうです。

 ところで、今週はこのほか新しい試みの話題もいくつかランクインしています。2位に入ったANAセールス代表取締役社長、志岐隆史氏のインタビューでは、シニア・SIT向けの新ブランド「ワンダーアース」についてねらいや意気込みを語られていますし、4位のキャセイパシフィック航空(CX)による0泊2日の香港行き運賃も目を引きます。

 0泊2日の海外旅行は肉体的な負担もありますし、それほど需要があるのかと疑問に思ってしまいますが、ネット上では前向きな意見も出ており、要するにどこに需要があるかは試してみないと分からないということでしょう。

 ランク外ですが、今週はジェイティービー(JTB)による「ソーシャル旅行」サービスの記事も掲載しており(リンク)、これもニッチな需要を取り込む試みです。ベルギーで開かれるエレクトリック・ダンス・ミュージックのイベントに参加するために、30万円台後半のお金を払おうという人がすでに30名強集まり、ウェブサイトでは800名近い人々がFacebookの「いいね!」を押しているということは、門外漢からすれば驚くばかりです。

 個人的に、自分は常識にとらわれずに考えようとし、実際にそれなりに柔軟な発想をできていると思っていましたが、こうしたニュースに触れるとかなりコンサバティブである現実を思い知らされます。変化を嫌わず、厭わず、自らの想像できる範囲外も認めて思いついたことは次々試し挑戦していく、そんな姿勢が新しいチャンスをつかむのかもしれません。(松本)


▽日刊トラベルビジョン、記事アクセスランキング
(2013年5月第3週:5月10日0時~5月17日19時)
第1位
エアアジア・ジャパン、成田/台北線開設へ-片道2980円も(13/05/10)

第2位
トップインタビュー: ANAセールス代表取締役社長の志岐隆史氏(13/05/16)

第3位
ニュージーランド航空、関空運休へ-チャーターなど対応検討も(13/05/16)

第4位
キャセイ、エコノミーで香港0泊2日の「弾丸」運賃設定-往復1.8万円で(13/05/15)

第5位
4月の旅行業倒産は7件、領土問題影響か-TSR調査(13/05/12)

第6位
成田、2年ぶり増収増益-LCC牽引、13年度もさらに拡大へ(13/05/14)

第7位
12年のビザ発給件数、46.5%増に-5割以上は中国、タイやマレーシアも(13/05/14)

第8位
全日空、国内線・国際線で新機内サービスを開始-6月から(13/05/16)

第9位
訪日ツアオペ認証制度、20社以上が申請-JATA、6月に発表へ(13/05/13)

第10位
ベトナム航空、中部/ハノイ増便へ-ダナン/シェムリアップも(13/05/12)