春秋航空、日本路線拡大へ-旅行部門で卸売、ツアー造成も
春秋航空(9C)は日本路線の拡大をはかる。5月8日に開催した記者会見で、春秋グループ日本代表の王煒氏は「日本市場は弊社の中で大きな位置づけとしている」とし、尖閣問題後も経営判断により日本路線を維持継続したことを強調。今後1年から2年かけて、既存の日本3路線を増便すると共に、新路線を就航する計画を発表した。
具体的には既存の上海/茨城、高松、佐賀線を増便するとともに、上海/関空線を開設。このほか、上海を拠点とした日本の地方路線と、関空を拠点とした中国地方路線も合わせて7路線開設する計画だ。さらに、春秋航空日本で首都圏からの路線開設も検討しているとした。
春秋航空日本については、代表取締役社長の鵜飼博氏が今後の事業展開について説明。現在国土交通省への申請手続きの準備中であり、鵜飼氏は詳細については後日発表するとしながらも「準備は順調に進めている」と述べた。同社は今年秋に国内線定期便を就航する計画で、現在スタッフ採用など準備を進めており、現在のスタッフ数は約80名となっている。資本金は15億円で、申請後60億円まで増資していく予定だ。さらに、4月30日にはボーイングからボーイングB737-800型機材を受領しており、今後日本路線で活用していくとした。
▽日本春秋旅行で航空券販売、ホールセールも
記者会見では、4月1日に開業した春秋国際旅行社の日本支社である日本春秋旅行社長の加冶屋敬行氏が登壇し、既存路線のインバウンド、アウトバウンドに加え、春秋航空日本の航空券販売を主軸に展開していくと説明した。ターゲットはアウトバウンド、インバウンド双方で、インバウンドについては、中国人の海外旅行の増加を見込み、2014年までに3万人、5年後の2018年には30万人の集客をめざす考えだ。
航空券は、9Cと春秋航空日本がウェブサイトで直販し、日本春秋旅行は別途割当分の販売を担当。現在は旅行会社や地方自治体を訪問するなど、同社の認知拡大のための活動を実施しており、今後旅行会社に対しては連絡、申し込み、問い合わせなど「グループの窓口はすべて日本春秋旅行になっていく」予定だという。
また、加冶屋氏はホールセールについても言及。1ヶ月以内に旅行商品を造成し、主にウェブサイトで消費者向けに販売するとともに、2種、3種を中心に旅行会社にも販売を呼びかけていく。加冶屋氏は「日本の旅行会社と競合するのではなく、旅行会社のバックアップをしたい」と意欲を示した。また、旅行素材のユニット販売も実施していく予定だ。
加えて、修学旅行への取り組みにも力を入れていく。加冶屋氏によると、オフシーズンで1年前であれば修学旅行を受注することが可能であるといい「修学旅行はほとんどがオフシーズンなため問題ない」とし、誘致に向け取り組んでいくとした。