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アクセスランキング、1位はエクスペディア-座席増減も4本

[総評] 今週の1位は、エクスペディアが国内宿泊施設の最低価格保証を開始するという記事でした。確かに内容も旅行業界にとって大きな話題ですから注目を集めて不思議ではないのですが、今回はそれにも増してYahoo!からのトラフィックが順位を押し上げたことを確認できています。

 Yahoo!トップページに8本ある各分野の記事に、時事通信によるエクスペディアの国内最低価格保証についての記事が掲載され、その1階層下、つまりトップページの記事タイトルをクリックしたページでトラベルビジョンの記事が紹介されたものです。調べてみますと、トラベルビジョンがサイト全体で1日かけて集める平均的なアクセス数の3分の1前後がたった1時間半で送られて来ており、改めてYahoo!の力というものに驚かされた次第です。

 さて、エクスペディアですが、4月8日に国内の最低価格保証を開始しました。客観的に見てエクスペディアは国内については「後発組」ですから、思い切った取り組みによる話題性が必要でしょう。後発とはいえ、動きの激しいネットの世界ですから3年後、5年後にどうなっているかも分かったものではありません。その意味で、「最低価格保証」という言葉が持つインパクトは十分に大きいといえます。

 ただ、消費者目線で考えるとインパクトほどのメリットは享受しにくい可能性があります。エクスペディアのサイトでは、「ホテル、お部屋タイプ、ご利用人数、払戻可否の条件、チェックイン日、チェックアウト日、朝食の有無等、予約内容・サービス内容及び条件が完全に一致する、ホテル単独の予約」であることなど1000文字近い条件が書かれています。

 個人的には、多くの人が複数のサイトを見て回り、「朝食の有無“等”」と曖昧に書かれた条件を満たす安い料金を探しだす労力を払ってまで、差額と(海外宿泊と海外ツアーにしか使えない)5000円のクーポンを望むとは考えにくいところがあります。そもそも差額といっても、ホテル予約サイトと宿泊施設の関係を考えると、国内宿泊で同条件であればそれほど大きな差が出る可能性は低いように思われます。

 ややネガティブな書き方になってしまいましたが、これらの推測は感覚的なもので実際のところは不明です。会見では、これまでの海外宿泊での実績など利用実態について明らかにされなかったとのことですが、もし今後そのような機会に恵まれた際には是非とも正確な情報をお伝えしたいと思います。

 いずれにしても、最低価格保証は企業のマーケティング戦略として強いメッセージを持つ有力な選択肢の一つであることは間違いありません。特に旅行はコモディティ化しやすい分野ですから、なおさら効果が期待できるのかもしれません。日本旅行業協会(JATA)は菊間潤吾会長のもと、旅行会社が価格ではなく価値で勝負できるよう事業を進めようとしているところですが、こうしたオンラインの動きに旅行会社がどう対応していくか、興味深いところです。

 また、今週はゴールデンウィークや夏休みのシーズンを前にして、航空会社各社による日本路線の便数変更のニュースが増えたように思います。新路線やチャーターの話題が中心で、例えば4位のトランスアエロ航空(UN)や6位のミャンマー国際航空(8M)、8位のハワイアン航空(HA)などがその例です。ランク外でもスイス・インターナショナル・エアラインズ(LX)の夏期増便(リンク)や、ヤクーツク航空(R3)によるチャーター計画(リンク)についてもお伝えしました。

一方、3位にはデルタ航空(DL)のミクロネシア線減便が入りました。ゴールデンウィーク期間を含むもので、予想していた水準に需要が届かなかったためだそうです。他のデスティネーションに移ったとしても中国や韓国とは考えにくく、あるいは円安傾向によるものかわかりませんが、いずれにしても気になるところです。

 このほか、今週の10位にはエイチ・アイ・エス(HIS)によるコスタ・ビクトリア号のチャータークルーズがランクインしました。先週は、ジェイティービー(JTB)が2014年にプリンセス・クルーズを2万名販売するという記事がランクインしましたが、クルーズ関連の話題がこれほど注目されるということは大変喜ばしいことです。

 大規模なキャパシティが集中的に投入されるという意味で、2013年と2014年は今後のクルーズ市場にとって間違いなく節目の年になります。例えばプリンセス・クルーズの2014年度の取扱目標は10万名。ちょっとしたデスティネーションに匹敵する人数です。

 旅行会社としては、クルーズ市場が「どう変わるか」というよりも「どう変えていくか」、あるいは「どう成長させるか」の岐路に立っているといえるでしょう。2010年にクルーズ人口50万人という目標は達成できませんでしたが、これからの旅行会社の取り組み次第では十分に可能性があるのではないかと期待しています。(松本)


▽日刊トラベルビジョン、記事アクセスランキング
(2013年4月第2週:4月7日0時~4月12日16時)
第1位
エクスペディア、国内でも最低価格保証、LCCの新市場に焦点(13/04/08)

第2位
富裕層旅行、学習体験で満足度向上へ-若手需要の増加も(13/04/09)

第3位
デルタ航空、ミクロネシア線一部減便-4・5月、需要伸びず(13/04/09)

第4位
トランスアエロ航空、成田/モスクワ線就航-5月から週2便で(13/04/07)

第5位
全日空、AKB48と共同プロジェクト-機内で特別番組、選挙連動企画も(13/04/10)

第6位
ミャンマー国際航空、冬にも日本就航へ-GWにチャーター4本(13/04/11)

第7位
円安で海外旅行の費用削減、旅行経験者ほど多い傾向-JTB総研調査(13/04/11)

第8位
ハワイアン航空、仙台就航でイン/アウト双方に使命、高い需要に期待(13/04/10)

第9位
全日空、13年度入社の既卒客室乗務員を募集開始(13/04/07)

第10位
HIS、過去最大のチャータークルーズ、8・9月で1.4万名めざす(13/04/08)