ハワイアン航空、仙台就航でイン/アウト双方に使命、高い需要に期待
ハワイアン航空(HA)代表取締役社長兼CEOのマーク・ダンカリー氏らが来日し、2013年6月26日に予定する仙台への就航を前に、仙台で記者会見を開催した。仙台就航についてダンカリー氏は「弊社には日本人を祖先とする従業員が多く、東日本大震災以降、仙台に就航したいと思っていた。震災後も盤石に経済が復興し、感動している。今回の就航は大きな喜びであり、誇りだ」と思いを語った。
仙台への就航は1年前から計画し、昨年夏にはチャーター便を4本運航。いずれもほぼ満席で「業界の支援も得て、高い需要が得られた。幅広い客層が利用しており、定期便でも同様の需要を見込む」と期待を寄せる。検討段階から仙台の旅行会社や行政のサポートを得ていたとし、今後もパートナーとして重視する姿勢を強調。
まずはHAが最初のターゲットとする搭乗率80%をめざし、その後、運航頻度を上げる計画だ。既存の札幌線との三角運航の形をとるが、「2つの都市の需要をまとめることでフライト数を増やすことが可能となる」と説明。仙台線のターゲットは東北全域で、「特に仙台市を含む宮城県と山形市、福島市、郡山市の人口は300万。それだけあれば十分に(席を)埋めることはできる」と説明する。
また、「日本/ハワイ間は日本人のアウトバウンドがほとんどだが、同時に日本にとって重要な外客誘致がある。日本のパートナーとして弊社としてもその責任を負っていると思う」とインバウンドにも言及。「ハワイやアメリカ本土の人々に仙台や日本の地域をアピールし、訪日してもらうことも使命とする」といい、「数はそう多くはないが、就航したことで初めて福岡に行ったという人もいる」との実績もあるという。
なお、ハワイアン航空はこの数年で国際線を拡充しており、仙台は日本の就航地として5番目。この3年間で10都市に新規就航しており、さらに7月には台北線の就航を控える。HAのみならず、ハワイ路線は世界的に供給量が増加しており、それに対するオアフ島のホテル・キャパシティへの懸念があるが、ダンカリー氏はHAが隣島路線を1日160便運航していることを説明。「隣島のホテルはピーク時でも余裕があり、HAの隣島路線も問題なく受け入れられる」と強調し、HAとしても隣島の魅力をアピールし、送客を強化していく考えだ。