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アクセスランキング、1位はB787改善計画、2位はピーチ

[総評] 今週は、ボーイングB787型機の運航再開に向けた動きをお伝えした記事が1位になりました。多くの一般メディアが報じた後での掲載でしたのでさほどアクセスは伸びないのではないかと予想していましたが、あっという間に1位になってしまいました。Googleニュースの力もあったようですが、それだけ業界内外の関心が高いということでしょう。

 今回の記事では、ボーイングが同型機の運航再開に向けたバッテリー改善計画について米連邦航空局(FAA)から承認を受けたものです。今後、実際に商業飛行を再開するには試験がうまくいき、FAAの安全基準を満たすことが求められますが、全日空(NH)がコメントしている通り「大きな進展」であることは間違いないでしょう。

 B787型機の運航停止は旅行会社にとっても大きな影響が出ておりますし、1日も早い復活が望ましいところです。もちろん「安全」は何にも増して重要ですが、それはボーイング、FAA、そして航空会社にとっても当然のことでしょうから、疎かにされることはあり得ないと信じるしかありません。

 度重なる納入の遅れに加えて今回の運航停止が発生し、巷ではドリームライナーならぬナイトメアライナーなどという笑えない冗談まで出ていますが、バッテリーが確実に改善され不安要素が取り除かれなければ、本当に冗談ではなくなってしまいます。

 報道などによりますと、ボーイングはバッテリーの不具合が発覚する前に、B787型機による洋上飛行距離について制限緩和を求めていたようです。確かにそれが認められれば航空会社にとってより魅力の高い飛行機になりますが、商業的意図を優先して安全をないがしろにすることなく、「まさにドリームライナー」とまでいわれるようにしっかりとした対策をとってほしいと願うばかりです。

 次に2位を見ますと、ピーチ・アビエーション(MM)が沖縄から東南アジアへの路線設定に意欲を示しているという記事が入りました。いわゆる日系LCC3社の中でも好調さが伝えられているMMですが、こうしたユニークな戦略も成功への鍵の一つなのでしょう。

 訪日外国人がコアターゲットでアウトバウンドは「可能性としてはある」程度と見ておられるようですが、記事についたTwitterのコメントを読みますとあながち少なくないのではないかとも思われます。個人的に少し考えるだけでも、沖縄で少し遊んでからバンコク、など旅のアイディアも膨らんできますし、ますます自由になる日本の空に対して旅行会社も柔軟な発想で取り組むべきかもしれません。

 今週はこのほか、9位に日本旅行業協会(JATA)による児童買春根絶に向けた取り組みの強化についての記事がランクインしています。日本の旅行業界としては2005年に取り組みを始めたものの、その後はどうやら下火になってしまったようで、恥ずかしながら私もプロジェクトの仕組みを詳しく理解できていませんでした。

 しかし、セミナーに参加し、慈善事業やCSRとしてするのではなく自社と業界の中長期的な成長のために戦略的に活動するべきという視点に気付かされ、目からうろこが落ちたような気分になりました。

 日本ユニセフ協会の佐伯摩耶氏の発表内容をお借りすると、18歳未満の子どもは世界人口の約3分の1を占めるだけでなく、「子どもは顧客であり、社員の家族であり、年少の従業員であり、将来の社員であり、将来のリーダーでもある」ことから、「子どもは企業にとって重要な利害関係者(ステークホルダー)」となります。

 セミナーでは「子どもへの投資は未来への投資」という旨の発言もありました。旅行業界としてできること、すべきことは何か、JATAの活動に合わせてトラベルビジョンとしても模索し、実行に移していきたいと考えています。(松本)


▽日刊トラベルビジョン、記事アクセスランキング
(2013年3月第3週:3月10日0時~3月15日17時)
第1位
B787運航に向け「大きな進展」、ボーイングの改善計画が承認(13/03/13)

第2位
ピーチ、那覇/東南アジア線に意欲-那覇の小拠点化はかる(13/03/11)

第3位
HIS、第1Qの営業利益は30.3%増-ハウステンボス好調(13/03/10)

第4位
旅行業倒産件数、2月は3件、領土問題の影響も-宿泊業は9件(13/03/10)

第5位
上期商品は旅行会社の力を前面に-店頭との連携重視、教育を強化(13/03/14)

第6位
TAM航空、ワンワールドに加盟へ-LATAMがアライアンス統一(13/03/10)

第7位
ILTMJapan、京都で初開催-日本の富裕層市場に期待(13/03/12)

第8位
日本航空、上級クラスに新日本酒メニュー、獺祭や十四代など(13/03/11)

第9位
児童買春防止に向け取り組み強化-JATA、全会員の参加も(13/03/14)

第10位
デルタ航空、ロサンゼルス空港の運航拡大-計14都市(13/03/13)