プリンセス・クルーズ、市場の拡大はかり旅行会社との協力強化
プリンセス・クルーズは日本市場への取り組みを強化し、市場の拡大をはかる方針だ。2013年に日本市場に「サン・プリンセス」を投入し、日本発着クルーズ「ジャパン・ホーム・ポート・クルージング」を開始。2014年には「ダイヤモンド・プリンセス」を追加投入し、日本市場への取り組みをさらに強化する。日本のクルーズの潜在需要の掘り起こしをはかり、市場拡大をめざす同社の今後の戦略を、プリンセス・クルーズ社長兼CEOのアラン・バクルー氏らに聞いた。
クルーズの潜在需要に期待、日本市場への投資強化
バクルー氏は日本のクルーズ市場について、「高い成長の可能性がある」と語る。日本の総人口の約3%がクルーズの潜在需要との考えで、これは定員2600人の客船40隻を常駐させる規模だと説明。「潜在需要を発掘できれば(市場を)大きく拡大できる。需要が伸びていく可能性は高い」と日本のクルーズ市場の拡大に期待を示した。
同社では2013年4月から、「サン・プリンセス」(7万7000トン、乗客定員2022人)による日本発着クルーズを計画。「ジャパン・ホーム・ポート・クルージング」として、9泊から12泊のクルーズを7コース9本設定し、日本国内の19港に寄港する。集客目標人数は1万8000人としており、プリンセス・クルーズ日本総販売代理店(GSA)を務めるカーニバル・ジャパン代表取締役の木島榮子氏によると、順調に予約が進んでおり、集客目標は達成できる見通しだという。
2014年は展開を拡大し、「サン・プリンセス」に加え「ダイヤモンド・プリンセス」(11万6000トン、乗客定員2670名)も投入し、クルーズ2隻で10コース42本を用意し、コースの多様化をはかる。集客は13年の5.5倍である10万人を目標とした。
バクルー氏は2013年、14年の2年間で日本市場への投資を強化する考え。「1年間で1万人とゆるやかな増加は簡単だが、(10万人と)急速に伸びるためには巨大な投資が必要。日本初参入会社としてロケットスタートをはかる」と意気込みを述べた。日本ではまだクルーズの魅力が知られていないのが課題とし、消費者とのコミュニケーションを強化したいという。特に消費者向けのプロモーションに800万米ドルから1000万米ドルを費やし、クルーズの旅の魅力を訴えると共に、プリンセス・クルーズ自体のブランド認知度向上もはかるとした。