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シカゴ、日本事務所を始動、成熟市場も「逆にチャンス」

  • 2013年2月5日

シカゴ観光局社長兼CEOのドン・ウォルシュ氏 シカゴ観光局は1月、日本事務所の活動を本格的に開始した。昨年8月、コネクトワールドワイドに委託する形で事務所を立ち上げて準備を進めてきたが、ブランディングを含めたマーケティング、セールス、広報宣伝の活動を本格化する。

 2月5日には、シカゴ観光局社長兼CEOのドン・ウォルシュ氏と同副社長のキャスリーン・M・ドマニコ氏が来日し、記者会見とレセプションを実施。ウォルシュ氏は、本誌取材に対して、「以前は、『素晴らしい都市を作れば人々は自然に訪れてくれる』という傾向があったが、シカゴはすでに素晴らしい都市」であるとし、その上で、「今こそ世界に対して、シカゴが全米だけでなく全世界でも最高の都市の1つだとお伝えしていきたい」と意欲を語った。

 シカゴでは2011年に就任した新市長が観光振興強化の方針を打ち出し、2010年に3900万人、2011年に4350万人であったシカゴへの訪問者数を、2020年をメドとして5000万人に増加する目標を掲げているところ。また、米国外からの訪問者数でも全米都市別で10位から5位への上昇をめざし、シェアを4.3%から6%に拡大しようとしている。

 日本事務所の開設はこの一環で、日本以外ではイギリス、ドイツ、ベネルクス三国、カナダ、メキシコ、ブラジル、上海、北京に事務所を新設、または活動を強化。2013年は全体で2769万米ドル(約25億5000万円)の予算を計上し、活動を展開する計画だ。

記者会見にはシカゴ・ブルースのミュージシャンであるウェイン・ベイカー・ブルックス氏が演奏を披露した 現在の日本人訪問者数は、2011年の数値で約8万8000人。オンラインでの活動やメディア露出、旅行会社向けFAMツアーなどを通して成長をめざす方針であるほか、米国の旅行見本市・商談会「インターナショナルPOWWOW(パウワウ)」の2014年の開催地がシカゴであることにも期待をかける。

 また、成熟市場である日本に対し、投下する予算を絞って事務所を縮小する、あるいは閉鎖する観光局もある中での新規開設について、ウォルシュ氏とドマニコ氏、そして日本代表を務めるコネクトワールドワイド代表のマージョリー・デューイ氏は、日本市場では“新しい米国”が求められているとの認識で、「逆にチャンス」(ウォルシュ氏)と分析。

 その認識のもと、歴史や音楽、建築のほか、ショッピング、観劇、博物館・美術館、スポーツといったシカゴの魅力をアピールし、30代から40代半ばで所得があり米国旅行を経験済みの女性層やシニア層を軸に需要の取り込みをはかっていく方針を示した。