全日空、3Q営業利益は過去最高の1075億円-JWの収益計上も
全日空(NH)グループの2013年3月期第3四半期(2012年4月1日~12月31日)の連結業績で、営業利益は前年比18.0%増の1075億円、経常利益は24.7%増の891億円となり、共に第3四半期累計で過去最高となった。世界景気の減速などの影響もあったが、ビジネス需要は堅調に推移し、レジャー需要も需要喚起策が奏功。旅客収入を中心に大幅な増収となった。売上高は5.8%増の1兆1321億円で、純利益は前年が法人税率の引き下げに伴い繰り延べ税金資産を一部切り崩したことで減少した反動もあり、54.6%増の522億円と大きく増加した。
航空運送事業は、売上高が5.6%増の1兆107億円、営業利益が17.8%増の984億円となった。国際線旅客事業では、ビジネス、レジャー需要ともに堅調に推移。創立60周年のエコ割ユース運賃の設定で若年層を取り込めたこともあり、旅客数は10.2%増の476万9000人と増加し、売上高も9.5%増の2649億円となった。
国際線路線網では、10月に成田/ヤンゴン線、デリー線を新規開設し、成田/ニューヨーク線を増便するなどネットワークの充実に努めた。尖閣問題の影響が続く中国線は、機材の小型化や減便による需給適合を実施。NHによると、レジャーは影響が続いているが、ビジネスは12月頃には前年並に回復したという。全体の座席供給量を表す有効座席キロ(ASK)は10.5%増、旅客輸送量を表す有償旅客キロ(RPK)は15.1%増となり、利用率は3.0ポイント増の75.8%となった。旅客単価は0.6%減だった。
国内線では、売上高が3.8%増の5160億円、旅客数は6.8%増の3156万8000人とともに増加。国内線はビジネス、レジャー共に堅調に推移。海外居住者向けの運賃を新設し、訪日需要の拡大もはかるなどの取り組みもおこなった。また、サービス面では仙台空港や小松空港のラウンジをリニューアル。路線網では10月以降に札幌/広島、沖縄線、関空・宮古/石垣線再開や、伊丹/熊本線の増便を実施し、ネットワークの充実をはかったことで、ASKは4.3%増、RPKも6.4%増となり、利用率は1.2ポイント増の62.5%となった。旅客単価は2.8%減だった。
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