「観光立国推進本部」新設-国交省、省内連携強化へ

  • 2013年1月29日

(右から)国土交通大臣の太田昭宏氏、国土交通副大臣の鶴保庸介氏  国土交通省は1月29日、国土交通省観光立国推進本部の第1回会合を開催した。同省では、今まで他省庁との連携強化をはかるため「観光立国推進本部」を実施していたが、今回は国土交通省内の各局の連携を高めるために「国土交通省観光立国推進本部」を新たに設置。メンバーは国交省の政務三役や各局長などで構成する。本部長の国土交通大臣の太田昭宏氏は「(設置により)インバウンド1000万人に向け、本日から力強く推進していきたい。各局でしっかり協調し、連携を取り合ってやっていきたい」と意気込みを述べた。

 太田氏は冒頭の挨拶で、観光立国推進のためにはインバウンドの促進と拡大、観光による国内各地域の拡大促進、東日本大震災からの復興が重要との考えを示した。特にインバウンドについては内閣総理大臣の安倍晋三氏が東南アジア諸国に訪問し、観光庁長官の井手憲文氏が中国を訪問して国家旅游局長と会談するなど、さまざまな方策を実施していると説明した。

 その一方、インバウンド1000万人達成のためにはさまざまな課題があるとし、鉄道、航空などの交通事業者や旅行業者の協力のもとで「国交省の裾野の広い業界すべてが参加しての、訪日促進に向けた取り組みの実施が必要」と述べた。

 また、受入環境の整備についても触れ、多言語案内表示の整備に加え「陸海空の交通網や景観形成まちづくりを含めた、ハード、ソフト一体となった総合的な取り組みが重要」とコメント。さらに、外的要因に強いインバウンドをめざし、東南アジアをはじめ多くの国からの誘客をはかるとともに、個人客、ビジネス客双方をターゲットに活動を進める姿勢を示した。そのほか、太田氏はビザの要件緩和や、出入国の手続きの迅速化などにも言及。省庁横断的な取り組みに向けて努力をしていきたいとした。

 今後は国土交通副大臣の鶴保庸介氏を座長とする、国土交通省観光立国推進本部ワーキンググループも設置する計画。民間の観光関係者、有識者を招き、現場レベルの意見を取り入れていく考えだ。鶴保氏は「インバウンド誘致は様々な方法がある。総合的な施策が必要」とし、関係各位に協力を求めた。