アクセスランキング、中部新路線に注目、1位はジェットスター

[総評] 今週は1位と2位に中部国際空港の新路線に関する記事がランクインしました。いずれもGoogleニュースに取り上げられてアクセスが大きく伸びたことが要因と思われますが、そうはいっても三大都市圏のうちの一つである名古屋への新路線ということで、注目が高くなるのも当然と考えられます。

 1位の記事では、ジェットスター・ジャパン(GK)による中部発着の国内線3路線への就航計画をお伝えしました。中部空港には、エアアジア・ジャパン(JW)が3月末の就航を表明していますので、昨年就航した日系LCC3社のうち2社が路線を設定することになります。

 GKとJWでは、JWが中部を成田に次ぐ第2の拠点として位置づけようとしているのに対して、GKはあくまで関空の第2拠点化をねらっている点が異なっています。ピーチ・アビエーション(MM)は今のところ関空限定ですし、こうした戦略の違いはあまり目立たなくはあるものの、注意して見ると面白いように思います。

 特に気になるのは、ジェットスター航空(JQ)が2008年冬スケジュールで中部線を運休している点です。JQやエアアジア(AK)グループは、アジア太平洋地域の各国に航空会社を設立し、メッシュ型のネットワーク形成を進めていますので、国際線と国内線の接続ができないことはデメリットになります。

 同様の課題はAKグループの長距離線専門子会社であるエアアジアX(D7)とJWにもあり、D7が成田に就航しないのかという点も気になるところです。2位の記事では日本航空(JL)が羽田の国際線に接続する羽田/中部線を新設しようとしていますが、どこの需要をどう繋いで運ぶかという課題は航空会社にとって非常に重要ですから、JQやD7がこのままでいるつもりかどうか、とても気になるところです。

 さて、今週はこのほか3位にエティハド航空日本支社長を務める稲場則夫氏のインタビューが入りました。ベールに包まれていてよく分からないという印象を抱かれがちな中東系キャリアですが、EYは設立からたった10年弱で従業員1万人、68機、86都市という事業規模に達している成長企業です。

 エアバスA380型機を90機運航する計画のエミレーツ航空(EK)などを含めて、航空業界における中東系航空会社の存在感は増しています。アライアンスに頼らないEY独自の提携戦略などを見ても、中東系航空会社は今後の航空業界における台風の目になっていくようにすら思われます。

 日本発の海外旅行で商売をする以上、航空会社との関係が最重要になりますが、先述の通り、航空業界はビジネスモデルや拠点空港、路線展開などの選択において急速に多様化してきています。よく知っているはずの航空会社が突然驚くような方針転換をするかもしれませんし、あるいはEYのように急成長を遂げる会社が今後も出てくるかもしれません。

 このような大きな流れの中で、旅行会社も航空業界の変化に対応していく必要があります。各社の判断の裏にはどんな思惑があるのか、何をめざすのか、あるいは“新顔”の航空会社はどのような会社か――。トラベルビジョンとしてもそういった点について今後もご紹介していき、読者の皆様のお役に立ちたいと願っています。(松本)


▽日刊トラベルビジョン、記事アクセスランキング
(2013年1月第4週:1月20日0時~1月25日18時)
第1位
ジェットスター・ジャパン、中部に新規就航-新千歳、福岡、鹿児島へ(13/01/22)

第2位
日本航空、羽田/中部線を新設、国際線に接続へ-路便計画発表(13/01/22)

第3位
トップインタビュー:エティハド航空日本支社長 稲場則夫氏(13/01/22)

第4位
アメリカン航空、機体デザインとロゴ刷新、進化・新生を象徴(13/01/20)

第5位
新潟のユニオン航空サービスが事業停止-第1種、負債3億円(13/01/24)

第6位
春秋国際旅行社、日本支社開設-ホールセールも(13/01/20)

第7位
全日空、アイベックスとのコードシェア拡大-仙台/広島、小松線で(13/01/24)

第8位
全日空、22日までB787運航停止を決定、1万名以上に影響見通し(13/01/20)
B787の運転見合わせ、JALは2月1日、ANAは1月28日まで発表(13/01/23)

第9位
ピーチ、夏スケジュールで釜山就航、仙台と石垣も(13/01/21)

第10位
ジャルパック上期、「旅のプロ」らしさ注力、パンフ色も変更(13/01/23)