阪急交通社、日経と旅行事業で協力、13年1月に合弁会社設立

  • 2012年12月25日

 阪急交通社と日本経済新聞社(日経)は12月25日、旅行事業での協力に合意したと発表した。日経の100%子会社である日経カルチャーを旅行に特化した専業会社とし、2013年1月1日付けで新会社を設立。そのうえで、株式の49%を阪急交通社に譲渡。日経が51%、阪急交通社が49%出資する合弁会社として共同で経営する。日経カルチャーのもつブランド力と、阪急交通社の旅行事業の運営ノウハウを組み合わせ、共同で事業拡大をめざす考えだ。

 日経カルチャーは第1種旅行業で、旅行事業や美術品販売を展開。新聞読者のシニア層をメインターゲットに、美術展と旅行を組み合わせたツアーや歴史に特化したツアーなど、文化をテーマにしたSIT向けの旅行を中心に取り扱っている。日経側は、シニア層の旅行需要が増加する中、阪急交通社の経験とノウハウを活用して満足度の高い旅行企画の立案や催行をおこないたい考えだ。

 一方、阪急交通社側は、多様な旅行商品の提供をめざすなかで、文化をテーマとした旅行分野を強化したい考え。阪急交通社ホールディングス広報部によると、主要ターゲットは同じシニア層だが、日経カルチャーは文化をテーマにした特化型のSIT向けツアー、阪急交通社は添乗員による周遊型のグループツアーが中心となり、「お互いに持っているところが違うため、パイを取り合うことはない」とした。お互いに長所を活かした事業協力ができ、相乗効果を出せるとの判断から、今回の合意に至ったという。

 まずは2013年1月1日付で、日経が10月に体制移行のために設立した「日経旅行事業設立準備会社」に日経カルチャーから旅行事業を譲渡。その上で、日経の持つ新会社株式を阪急交通社に譲渡し、新会社の称号を現在と同様の「日経カルチャー」に変更する。新会社の社長には2013年1月1日付けで阪急交通社企画統括本部担当部長の西尾敏宏氏が就任。従業員数は11人で、阪急交通社からも1名出向するという。

 なお、日経カルチャーの旅行事業以外の部門は日経の100%子会社である日経ビルサービスに移管。これにともない、日経ビルサービスは2013年1月1日付で「日経プラザ&サービス」に名称を変更する。