アクセスランキング、1位はタイ/羽田線、AFも羽田に意欲

[総評] 今週は日本とタイの航空当局間協議の結果に関する記事が1位になりました。羽田空港の昼間時間帯にもタイ路線を開設できることが決まったもので、3位にはエールフランス航空(AF)の羽田路線の開設計画に関する記事も入っており、羽田関連の話題への注目度は変わらず高いようです。

 各国との航空協議も着々と進んでおり、就航可能な国・地域の数も増えてきています。昼間の長距離路線に限定すると今のところタイのほか、シンガポール、英国、フランスが就航可能となっていますが、深夜早朝枠では再国際化当初からの国・地域以外でも、オーストラリアやニュージーランド、UAE、カタールなどで路線開設が認められており、かなり多様な路線網の構築が可能となっています。

 前段で列挙した国々で明確に路線開設の意思を明らかにしているのはAFとヴァージン・アトランティック航空(VS)、シンガポール航空(SQ)のみですが、そもそも就航したいという要望がまったくなければ航空協議の場でも交渉のテーブルに載ることはないはずですから、2014年までに少しずつ動きが出てくるでしょう。

 羽田への就航意欲と合わせて気になるのは、成田路線がどうなるかという点です。SQは成田を維持する方針ですが、AFは減便の可能性を示しており、VSは減便どころか自社運航から撤退する意向です。成田空港の空洞化は羽田の再国際化の前から懸念されていたことですが、各社の決断は成田空港の賑わいを大きく左右します。

 とはいえ、ランク外にはなりましたが10月の成田空港の利用実績の記事(リンク)では、日本人旅客は前年割れしたものの外国人と通過旅客がプラス成長して全体では2%増の236万人となっており、さらに国内線は115%増と大きく増加しました。いうまでもなく、この背景にはジェットスター・ジャパン(GK)、エアアジア・ジャパン(JW)の就航があり、第2位に入ったJWの釜山線開設のように、LCCの事業規模は今後も拡大していく見込みです。

 政府や国土交通省からは成田と羽田の共存について明確な方針が示されていないように思いますが、おそらく上記のような様々な要因がからみ合って今後固まっていくことになるでしょう。

 例えばレジャー需要は成田でビジネス需要は羽田という発想や、地理的なキャッチメントエリアごとの棲み分けという考え方など、航空会社ごとに様々な判断があり得るはずです。こうした各社の方針については、トラベルビジョンとしても誌面を通して皆様にお伝えし、将来を占う材料としてご活用いただきたいと考えております。

 最後に一つご案内ですが、トラベルビジョンでは先週からiPad miniなどの景品をご用意して「ハワイ特集2012」に関する読者アンケートを実施しています。日本の海外旅行の原点であるハワイに焦点を当てた特集も今年で5年目となり、今後もさらに充実した情報を発信していきたいと考えておりますので、是非ご協力いただければ幸いです。(アンケートへ移動)(松本)


▽日刊トラベルビジョン、記事アクセスランキング
(2012年11月第5週:11月24日0時~11月30日18時)
第1位
タイ、羽田昼間枠就航可能に、成田オープンスカイも(12/11/24)

第2位
エアアジア・ジャパン、釜山線初便は約8割、竹島の影響はなし(12/11/28)

第3位
エールフランス、14年に羽田就航へ、A380を念頭に(12/11/28)

第4位
「乗換案内」のジョルダン、イーツアー買収、旅行事業加速(12/11/27)

第5位
大韓航空東京支店、以遠路線を積極販売-韓国線も回復傾向(12/11/24)

第6位
JTB法人東京、「JTBコーポレートセールス」に社名変更-事業領域拡大で(12/11/29)

第7位
スカンジナビア航空、13年に45路線を開設へ(12/11/26)

第8位
イラン航空、GSA設置、将来的な復便めざす-チャーターにも意欲(12/11/24)

第9位
オーストリア航空、新座席導入、日本など長距離路線に-13年夏から(12/11/27)

第10位
エアアジア・ジャパン、旅行会社経由の予約可能に-アマデウスと契約(12/11/27)