現地レポート:メキシコ、人気コースにプラスの魅力-カンクン&メリダ

  • 2012年11月22日

人気のユカタン半島の魅力をさらに探究
ターゲットを絞ったアコモデーションの訴求を

カンクンへの道のりはセノーテ観光で充実
定番コースの掘り下げと魅力探究に工夫を

古代のロマンへと誘ってくれるチチェン・イツァー。カンクンからツアーが出ている

 メリダからカンクンへの移動は、バスの場合で5時間前後。飛行機ならあっという間だが、当然ながらツアー料金に跳ね返ってしまう。そのためチチェン・イツァーに立ち寄る行程を組み、バスを使うことが多い。そこにもうひとつお勧めのスポットを紹介したい。それがセノーテだ。

レストラン「イ・キル」のセノーテ。ランチはビュッフェ形式で気楽に食べられる

 セノーテとは、石灰岩からなるユカタン半島の地下を流れる水脈が地上に現れたり、地表が陥没してできた天然の井戸を指す。古代マヤ文明の都市には数万人のマヤ人が暮らしていたが、大河のないユカタン半島で、彼らはこのセノーテに水を頼っていたという。今日そのセノーテの一部は、観光用に開放され、しかも遊泳することが可能だ。

夜はシックな雰囲気が満ちる「ライブ・アクア」。18歳以下は泊まれない大人専用のオールインクルーシブリゾート

 今回立ち寄った場所は、敷地内にセノーテを持つレストラン「イ・キル」。チチェン・イツァー観光の後、セノーテの水で身体を冷やせるのは、とても気持ちが良い。あまり活動的ではない熟年層にも、見学だけはすすめてほしい。澄んだ水と光が差し込む神秘的な景観は一見の価値がある。

日本からのゲートウェイ、メキシコシティの観光は欠かせない。荘厳なカテドラル

 さて、カリブ海に面したカンクンは、世界的に有名なビーチリゾートであることは周知の事実。カンクンを主目的とする日本人客は、ハネムーナーを含む若年層が多い。リゾートなら心の底から羽を伸ばしたいもの。そこでカンクンでは、オールインクルーシブのホテルをすすめたい。ツアー代金を支払いさえすれば、あとはホテル内での飲食には一切費用がかからない。安心して楽しめるというわけだ。

 ユカタン半島の定番コースを新たな視点で見てきたが、特に女性や熟年層の目線でホテルを選ぶと、新たな発想が生じるだろう。先ごろ、AMのセミナーでプレゼンテーションを行なったJTBワールドバケーションズの商品開発部部長の常磐省吾氏が、同社の取り組みとして「凝った日程でリピーターをねらう『遺跡コースの掘り下げ』」と「高感度顧客への対応として『新アコモデーションの探索』」について語ったが、それは見事に今回のFAMの目的に合致するところだ。人気を得ている定番デスティネーションで目新しさを打ち出すのは難しいかもしれないが、収益を上げ続けていけるように工夫していく姿勢が必要ではないだろうか。



取材協力:アエロメヒコ航空
取材:竹井智