現地レポート:メキシコ、人気コースにプラスの魅力-カンクン&メリダ
人気のユカタン半島の魅力をさらに探究
ターゲットを絞ったアコモデーションの訴求を
メキシコツアーの目的地のなかで、ユカタン半島は定番中の人気デスティネーションだ。メリダとカンクンの組み合わせ、そしてカンクン主体のケースが多く、前者は熟年層を含む幅広い年齢層向けの遺跡とリゾートの周遊旅行、後者はハネムーナーや若年層向けのリゾート中心の滞在型と考えて間違いない。しかし、定番といえる素材でも、従来とは違った味付けで調理すれば、さらなる魅力が表れる。先ごろ、アエロメヒコ航空(AM)が「メキシコシティ+メリダ」をテーマに実施したFAMツアーでは、ユカタン半島の新しい可能性に触れることができた。
遺跡観光の拠点であり、
コロニアルな雰囲気が残るメリダ
アエロメヒコ(AM)を使い、ユカタン州の州都メリダに降り立つ。メキシコシティ国際空港での乗り換えは、国際線ターミナルから国内線ターミナルへの移動距離が少なく、便利だ。
ウシュマルやカバーなど周辺の遺跡観光の拠点となるメリダは、スペイン植民地だった頃の面影を色濃く残す。ユカタン半島への入植は、メリダの建設後に本格化したともいわれており、歴史的にも貴重な街だ。ソカロと呼ばれる広場とその横に立つカテドラルを中心に、周辺には市庁舎や州庁舎、ユカタン人類学博物館など、観光の見どころも多い。特に州庁舎にはユカタン半島の歴史的な出来事をモチーフにした壁画が展示されており、自由に見学することができる。
この11月には「マヤの世界博物館」がオープンした。マヤに関する博物館としてはメキシコ最大の規模を誇るという。訪れた時はプレオープン中だったため見学できないスペースが多々あったが、それでもひと回りするのに小一時間はかかってしまった。文化財の展示だけでなく、シアターではCGを駆使したマヤの歴史をたどる映像も楽しめる。
さらに意外なことに、メリダは日本とも深いつながりがある。黄熱病の研究で知られる野口英世は、ここメリダのオーラン病院でもその研究をしていたのだ。病院内にはそれを記念して銅像が建てられている。
また思いがけないことだったが、メリダは他の都市と比べると治安が良い。夜21時をまわると、市の主催による伝統音楽や舞踏が中心部で催されるが、そんな時間に出かけても不安を感じることはなかった。2日続けて見学に出かけたが、最初の夜は哀愁漂う音楽、そして次の夜は地元の人々が参加する舞踊大会で、雰囲気がいい。ディナーに利用したレストランからの帰り道に立ち寄るのもいいだろう。
ホテルへの帰路はタクシーではなく、観光馬車を利用するという手もある。ロマンティックなメリダの夜が堪能できるはずだ。もちろん、治安が良いといっても日本と異なる海外の地なので、身辺には十分気をつける必要がある。