JTB、中間期は増収増益、営利は404%増に-通期予想も上方修正
▽下期は伸び率鈍化も前年並みを予想-通期業績は上方修正
下期については、震災の反動が落ち着くなか、国内景気の減退や尖閣・竹島問題の影響もあり、売上高の伸び率が鈍化する見込みだ。尖閣・竹島問題の影響については、現時点の予約人数に基づく見通しで、中国は前年の6割から7割減、韓国は回復基調にあることから3割減で推移する予想。
ただし、中国、韓国の減少は他方面の増加で補えるとの考えから、下期全体では前年並みに推移するという。方面別では下期全体の人員ベースで、ハワイは前年比23%増、ミクロネシアは15%増、アメリカは25%増、ヨーロッパは25%増、その他アジアは17%増、オセアニアは6%増を見込む。
下期の取り組みとしては、需要喚起のための投資を積極的に実施する。プロモーションやブランド強化のための投資や、営業体制の改革や販売強化のための投資を実施。店舗面では各店舗の経理や業務管理などの「後方部門」を札幌に集約することで経営の効率化をはかる。また、首都圏の法人部門についても1拠点に集約する。
さらに、災害対策として事業継続計画に基づき、情報システムの設備投資を実施。データセンターの拠点分散化をおこなう。今年から準備を進めており、来年下期から稼動予定だ。そのほか、上期に引き続き地域活性化に向けた取り組みとして、着地商品の開発の強化もはかる。
通期業績については、上期の好調さもあり上方修正。売上高は従来予想よりも333億円増の1兆2098億円で、2008年以来となる1兆2000億円を上回る予想だ。営業利益は101億円増の158億円、経常利益は110億円増の180億円、当期純利益は60億円の80億円を見込む。