成田、中間決算で2期ぶりに増収増益-通期予想を上方修正
▽通期連結業績は上方修正、尖閣、竹島の影響は限定的
NAAでは、発着回数と旅客数の増加、LCCの国内線就航、冬期スケジュールからの新規就航や増便などから、通期の連結業績を上方修正。営業収益は19億円増の1903億円、営業利益は31億円増の340億円、経常利益は33億円増の267億円、当期純利益は18億円の144億円と上方修正し、2期ぶりの増収増益となる予想を示した。尖閣や竹島問題による影響はあるものの、影響を上回る勢いで発着回数や旅客数、給油量などが増加する見込みがあり、通期連結業績でも増収増益を達成する見通しだ。
航空取扱量については、尖閣、竹島問題の影響から、発着回数が1000回減の21万4000回、航空旅客数が83万人減の3386万人と減少する予想だ。NAAによると、10月速報値では中国路線は392回キャンセルがあり、旅客数も30%減と減少幅が拡大。韓国も10月の旅客数が16%減となった。NAA代表取締役社長の夏目誠氏によると、団体旅行が多い10月、11月は影響が大きいが、業務渡航需要が徐々に回復してきているとし、「しばらく(影響は)続くと思おうが、年度末に向けて今後の回復を期待する」と述べた。
尖閣、竹島問題の影響としては、中国方面で、営業収益で14億円程度減少する見込み。中国方面への旅客は国際線旅客数(乗り継ぎを除く)の13%から14%を占めており、下期全体で約20%減少する予想だ。韓国については営業収益で4億円程度の減少、旅客数は全体の10%のシェアを占めており、約10%減少する見通しだという。