LCCを業務出張に利用、片道可の利点活かす-定時運航率など課題も
アメリカン・エキスプレス・インターナショナル法人事業部門は11月8日、「LCCが日本の空にもたらす影響とは」と題し、LCCの業務出張への活用をテーマにビジネスフォーラムを開催した。登壇した航空アナリストで城西国際大学観光学部助手の鳥海高太朗氏は「LCCは大手航空会社とは別の乗り物として考えていくべき」とした上で、「今後の旅行会社はコンサルティング業務が求められる。企業に提案する際の新しい選択肢の1つとしてLCCを使っていけば良いのでは」と参加者に呼びかけた。
鳥海氏は業務渡航にLCCを利用するメリットとして、航空運賃の安さ、空席連動型であるため直前でも空席が多ければ航空券を安く買える点、片道利用が可能なためスケジュールにあった航空会社を選択できる点などをあげた。特に片道利用については、値段や時間に合わせてLCCと大手航空会社を組み合わせることで、コストセーブもできるという。また、追加料金でサービスを購入すれば出張者の利便性は高まるとし、足元の広いシートの事前指定や受託手荷物の追加を申し込むなど、LCC各社が提供するサービスを活用するよう提案した。
その一方、LCCの運航スケジュール上の課題や定時運航率の確保などの課題についても言及。LCCは多頻度運航を重視したスケジュールになっているため、必ずしも出張に便利な時間帯にスケジュールが設定されているわけではないと指摘。さらに、定時運航率が大手航空会社を下回っているため、改善する必要があるとした。
こうした課題を踏まえ、鳥海氏は、時間に余裕がある展示会や現地の工場の視察、社員研修などにLCCを利用するよう提案。LCCを利用するかは企業の方針によるが「LCCを企業に提案する際の新しい選択肢の1つとして、活用していけば良いのでは」と述べた。
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