観光庁、下期は観光産業強化とMICEに重点-訪日は東南アジアなど強化

  • 2012年10月24日

▽訪日対策、東南アジアやインドを強化-中国は訪日キャンペ継続

 訪日分野については、今後成長が見込める東南アジアや南アジアへの対策を強化していく考え。すでに10月14日から20日にかけてインド、インドネシア、タイの3ヶ国を訪問し、観光交流促進のための訪日プロモーションを実施。現地旅行会社などの意見交換もおこなった。

 井手氏はインドとインドネシアについて「今後のポテンシャルが高い」と期待を示した。意見交換会では、インドでは格安旅行を求める声、インドネシアでは富裕層向けの質の高い旅行を求める声があがっており、両市場とも旅行商品の造成に意欲的だったという。

 また、訪日旅行需要の増加が続くタイについては、今後も増加が期待できるとし、JNTO現地事務所も活用して積極的に商品造成を働きかけていく考え。意見交換会では、6月から発給した数次ビザについて、ビザ取得の更なる簡素化と迅速化を求める意見が出されたという。

 一方、落ち込みが続く韓国については、竹島問題よりも風評被害と円高ウォン安の影響が高いとの見方を示した。9月は10年比24.9%減で、8月の18.2%減に比べ減少幅が拡大したが、台風の影響による定期航路の欠航や、旧盆の日並びの悪さが要因であるとの考え。今後も風評被害の払拭に取り組んでいく。

 また、中国は尖閣問題の影響もあり、10年比10.1%減と減少。観光庁では中国での訪日イベントの参加など、訪日促進活動をキャンセルせず、予定通り積極的に展開し続けることで回復をめざす考えだ。日本政府観光局(JNTO)からも定期的に訪日旅行の歓迎メッセージを発出していく方針だ。