アクセスランキング、1位はVS支社長インタビュー、座席増の話題多く

[総評] 今週は、ヴァージン・アトランティック航空(VS)日本支社長のリチャード・マイヤースコウ氏のインタビューが1位になりました。成田から羽田への切り替えなどタイムリーな話題について、明快なお言葉でお話ししてくださったので、皆様にも興味深くお読みいただけたのではないかと思います。

 インタビュー中に印象的だったのは、とにかく“競争”を重視される姿勢でした。成田と羽田の競争はなくてはならないもので、航空会社同士も当然同様。特に、国内線進出に関するくだりでのブリティッシュ・エアウェイズに対する対抗心は相当に強烈なものと感じられました。

 さて、その“競争”すべき成田と羽田ですが、政策的な枠組みもあってか今のところはっきりと顕在化しているとはいいにくい段階で、今後どうなるかも予想はつきません。ただ、マイヤースコウ氏の「ロンドンは人口1000万人に対して5空港、東京は3000万人で2空港」であり、「共存は可能」であるとの指摘は、なるほどと思わせられるものです。

 その意味では、5位のシンガポール航空(SQ)の記事は、マイヤースコウ氏の分析に沿ったものといえます。現在でも羽田に2便、成田に2便を運航しているSQが、羽田は最低3便とし、成田は2便を維持しようというわけで、傍から見るとかなり強気な印象を受けます。しかし、それだけ需要がある、あるいは生み出せる、他社から奪えると見込んでいるのでしょう。

 SQの取材の際、日本支社長のデイヴィッド・リム氏はシンガポール/香港間では東京路線よりもたくさんの便が運航されていることを例示されたのですが、マイヤースコウ氏の発言に近しい感覚を受けるのは私だけではないでしょう。こうしたことを考慮すると、海外からすれば、日本の経済規模や出国率、インバウンドの可能性などから、まだまだ伸び代が見えているようです。

 確かに、観光立国推進基本計画で掲げるアウトバウンド2000万人、インバウンド1600万人の目標を達成するためには、相当な座席供給量の増加が求められます。そう考えますと、むしろ8位のKLMオランダ航空(KL)や10位のSQのような判断が当たり前と感じられるようにならなくてはならないともいえます。

 実はこの原稿は、 日本旅行業協会(JATA)とハワイ・ツーリズム・オーソリティ(HTA)による日本ハワイ観光協議会(JHTC)の年次会合の取材のため、ホノルルで書いているのですが、ここでもHTA側から早期のコナ線復活や地方路線拡充への意欲が示され、そうした施策によって2016年にハワイへの送客数200万人を達成するべく、JATAとHTAで覚書も締結されました。挑戦的な目標ではありますが、業界関係者が同じ目標に向かって力を合わせて取り組んで行くだけでも得られるものはあるでしょう。

 ホノルルへの往路の機内はほぼ満席の盛況で、尖閣・竹島問題でブレーキをかけられたようにみえた旅行需要も依然として活発であるように感じられました。残り2ヶ月半、業界を挙げた取り組みにより、是非とも1800万人、あるいはさらにそれを上回る出国者数が達成されて欲しいと願っています。(松本)

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(2012年10月第3週:10月14日0時~10月19日18時)
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