アクセスランキング、1位はKNT新社名、2位はLCCのスクート就航
[総評] 今週は、近畿日本ツーリスト(KNT)とクラブツーリズムが2013年1月1日に持株会社制に移行した後の、グループ各社の社名に関する記事が1位になりました。持株会社の社名は「KNT-CTホールディングス」で変わりありませんが、KNTの団体旅行事業を承継する事業会社は「近畿日本ツーリスト」、個人旅行事業は「近畿日本ツーリスト個人旅行」、KNTツーリストは「近畿日本ツーリスト個人旅行販売」と決まりました。
それぞれの社名についての印象は様々でしょうけれども、個人的には“どう呼ぶか(呼ばせるか)”という点に興味を覚えます。記事として書く必要があるため、という理由もありますが、愛称というか、呼びやすい名称はブランディングにおいて重要な意味を持つはずです。
また、団体旅行が「近畿日本ツーリスト」を引き継いだことは目を引きます。小説「臨3311に乗れ」でKNT創業期の様子を学んだ身としては、団体旅行こそアイデンティティであるという意思の表れか、とも思うところです。
さて、今週はこのほか、2位の記事でシンガポール航空(SQ)が設立したLCCのスクート(TZ)が今月末に成田/台北/シンガポール線に就航することをお伝えしました。LCCを自認する航空会社が次々に日本で運航を開始していますが、当初は西日本市場が中心であったところから、ここにきて東京圏でも動きが活発になってきたようです。
TZは旅行会社経由の販売に意欲的で、ウェブサイトも開設当初から旅行会社向けのページへのリンクを目立つところに置いています。日本地区総代理店(GSA)によると、旅行会社からはまずは成田/台北間での販売について好感触が得られたとのことで、近日中に商品も発表されるでしょう。
4位にもエアアジア・ジャパン(JW)の記事が入っていますが、LCCが珍しいものでなくなりつつある中で、5位のヴァージン・アトランティック航空(VS)、6位のタイ国際航空(TG)など新しい展開も出てきており、航空関連の業界環境が予想以上に急激に変化しているように思われます。
当たり前のことですが、こうした航空関連の環境変化はレジャーにせよビジネスにせよ旅行市場に大きく影響を与えます。レジャーについていえば、例えばパッケージツアーの内容がさらに多様になっていく可能性が考えられます。
3位に入ったインタビューでは、日本旅行のTiS大阪支店で支店長を務める上田純子氏が、店頭とインターネットで販売する商品をきちんと選り分けるべきだと話されていますが、もし今後LCC利用商品の数が大きく増えていくとすれば、こうした要請はさらに強いものになっていくでしょう。
人に移動の手段を提供する航空会社と、移動の目的を達成する手段を整える、あるいは目的そのものも提供する旅行会社。オンラインでの流通がますます盛んになる中で、両者の関係がどのように変化していくか、非常に興味深く思いますし、旅行業界としてどのように変化させるべきなのかについても考えなければならないと感じています。(松本)
▽日刊トラベルビジョン、記事アクセスランキング
(2012年10月第2週:9月30日0時~10月5日18時)
第1位
◆KNT、クラツー統合後の社名決定、「近ツー」ブランド強調(12/09/28)
◆KNT、持株会社移行後の役員体制を決定(12/09/28)
第2位
◆LCCのスクート、10月29日に成田就航-台北片道9540円から(12/10/03)
第3位
◆インタビュー:日本旅行TiS大阪支店支店長 上田純子氏(12/10/02)
第4位
◆エアアジア・ジャパン、中部の拠点化を検討、空港運用で他LCCと協調も(12/10/01)
第5位
◆ヴァージン、羽田線はB787とA340で-支社長が計画説明(12/10/04)
第6位
◆タイ国際航空、成田にA380、関空・中部も座席増へ(12/10/01)
第7位
◆ジャルパック、13年入社のキャリア採用を募集-未経験者可で(12/10/01)
第8位
◆フォトニュース:日本航空の国際線新シート、「最高品質」の機内実現(12/10/04)
第9位
◆トップツアー、SITで新カテゴリ立ち上げ-ウェブで直販(12/10/02)
第10位
◆スカンジナビア航空、ラップランド直行便、成田/キルナを計4便(12/09/30)