竹島・尖閣、旅行への影響は軽微-各社、今後の動向注視
島根県の竹島と沖縄県の尖閣諸島の問題に大きな注目が集まっている中、トラベルビジョンが大手旅行会社7社と日中韓の航空会社7社に聞き取りをおこなったところ、すべての会社が旅行需要への影響は現時点でほとんどない、もしくは限定的と回答した。
聞き取りをおこなったのは旅行会社がジェイティービー(JTB)、エイチ・アイ・エス(HIS)、阪急交通社、日本旅行、近畿日本ツーリスト(KNT)、トップツアー、クラブツーリズムの7社。航空会社が日本航空(JL)、全日空(NH)、大韓航空(KE)、アシアナ航空(OZ)、中国国際航空(CA)、中国南方航空(CZ)、中国東方航空(MU)。
予約キャンセルの状況については「ゼロではないが、大きな影響はない」(HIS)、あるいは「特にない」(JTB)という回答が多く、一部の航空会社では「団体予約がいくつかキャンセルになった」(NH、OZ)とする回答もあったが、空いた座席に個人旅行者の予約が入るなど純減数は少ない様子。今後の予約への影響についても「FITを中心に通常通り動いている」(OZ)、「今のところ顕著な動きは出ていない」(JL)といった回答が大半となった。
ただし、「若干のキャンセルはあるが、竹島・尖閣問題が原因か分からない」(クラブツーリズム)という回答もあり、各社とも中長期的な影響を懸念。このため、各社では事態の推移を注視していく姿勢で、現地拠点と連携し最新情報を収集して顧客に案内していく方針を示した。
なお、インバウンドについても、日本政府観光局(JNTO)が現地の旅行会社にヒアリングをしたが、中国、韓国ともに大きな影響は出ていないと回答。今後の予約状況についてもアウトバウンドと同様、「先が読めない部分があるので、状況を注視していく必要がある」としている。