井手長官、韓国回復に期待、国際情勢の影響「現状なし」
観光庁長官の井手憲文氏は8月17日に開催した記者会見で、訪日市場で回復の遅れが続く韓国に対し、韓国側の渡航情報緩和による増加に期待を示した。日本政府観光局(JNTO)によると、7月の訪日韓国人は10年比19.6%減の18万9700人で、震災前の水準を下回っている。ただし、井手氏は「緩和は7月の終わり。(6月は)緩和のいい意味での影響が働きはじめる前」と述べ、「8月は7月に続いて旅行者が多い月。8月に期待したい」と期待感を示した。
韓国に対しては、引き続き回復に向けた取り組みを進めていく方針だ。九州や関西、韓国からのチャーター便が多い北海道で、商品の販売促進のための広告活動を引き続き展開する。また、LCC各社との共同広告も継続。すでに韓国のLCCと実施しているが、ピーチ・アビエーション(MM)とも展開し、韓国でのMMの認知度向上をはかる考えだ。さらに、トレッキングなどのテーマ性のある情報を発信することで、SITの取り込みもねらう。
また、沖縄県の尖閣諸島や島根県の竹島をめぐる情勢については「今日現在まで(影響があるか)モニターしている」と述べた。今のところ「特にキャンセルなどは出ていない」が、引き続き状況を注視していくという。井手氏は「『観光は平和へのパスポート』が国際連合の国際観光年のメッセージ。相互理解増進のために、民間レベルの観光交流は良いこと」とし、「外交事案とは関係なく、観光の交流を引き続き活発にしていくことを期待している」と述べた。