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国交省、JLの投資・路線計画を「監視」-公平性確保し企業再生へ

  • 2012年8月11日

 国土交通省は8月10日、日本航空(JL)の企業再生について、具体的な対応方針を発表した。公的支援で競合他社との公平性が損なわれていないかを確認するため、航空局でJLの投資や路線計画の状況を監視し、必要に応じて指導や助言をおこなっていく。また、今後の航空分野での企業再生と公的支援に対するガイドラインの策定も実施する考えで、交通政策審議会航空分科会で審議していく方針だ。

 国土交通大臣の羽田雄一郎氏は10日の会見で、「日本航空は航空ネットワークの維持・発展に貢献する企業として再生を果たす必要がある」とJL再生の重要性を改めて強調。その一方で「公的支援が航空会社間の競争環境を不適切に歪めることがあってはならない」と述べ、「路線展開や投資について、法的根拠なく国が制約を課すことはできない」が、国交省として「公的支援の趣旨に適合した日本航空の再生」をはかる考えを示した。

 方針によると、航空局は2016年度までの「JALグループ中期経営計画」期間中、JLに企業再生状況について報告を求め、状況を監視し、必要に応じて指導や助言を実施する。具体的には、JLの投資や路線開設が日本の航空ネットワークの維持発展に貢献するものとなっているか、公的支援で航空会社間の競争環境が不適切に歪められていないか、安全に対する十分な投資や対策がされているか、報告を求め、内容を監視していく。

 また、路線維持のため、JLが再生過程で地方路線を大幅に削減した経緯を踏まえ、地方路線の拡充や地域航空会社への支援など、地域の航空需要拡大を通じた地域活性化対策について検討するよう、JL側に要請する。航空局としても、交通政策審議会航空分科会で航空ネットワークの維持策について議論し、それを踏まえて路線維持のための支援措置の拡充をはかるとした。

 そのほか、JLに対し繰越欠損金や税金の免除額などについて、十分な情報開示を要求。公的資金投入や債権放棄、減資を踏まえた上、社会貢献策を検討するよう要請していく。


▽航空局、企業再生と公的支援に関するガイドライン策定も

 交通政策審議会航空分科会では、公平な航空競争環境の確保のため、今後の航空分野での企業再生と公的支援に関するガイドラインの策定を検討していく。有識者や公正取引員会を交えて検討をすすめていく考えだが、現時点で策定時期の目処はたっていない。さらに、航空局では羽田などの混雑空港の発着枠の配分や、チェックインカウンターや搭乗橋などの施設利用の調整も実施していく。