現地レポート:RCI、日本発着クルーズの魅力と販売のポイント
市場を拡大したRCIレジェンドの日本発着クルーズ
韓国・鹿児島7日間の乗船レポート
アメリカンスタイルのクルーズ
日本発着ならではのサポートも
RCIはアメリカのクルーズ会社で、サービスはアメリカンスタイル。クルーはレジェンドがアジアクルーズの船であることから、フィリピン人、インドネシア人、中国人のアジア人が多く、ウェイターも客室係もフレンドリーな接客が印象的だ。賑やかすぎる時もあるが、船内は陽気な雰囲気が保たれている。船内の通貨は米ドルで、共通言語は英語だ。
しかし、クルーズ文化や英語に不慣れな日本人にはやはりサポートが必要。そこで今回の横浜発着クルーズでは、乗客の8割以上が日本人ということもあり、特別に日本市場にあわせてアレンジされたサービスやサポートが用意されていた。
例えば、船内のアナウンスや船内新聞は、英語と日本語版を用意。ショーやイベントを盛り上げるクルーズディレクターの通訳をする日本人ホストと、日本人コーディネーター14名が乗り込んだ。また、日本人コーディネーターが常駐する日本語専用デスクを設置。これは日本発着クルーズだから特別に許可されたことだという。
さらに今回は、自社主催ツアーを造成した旅行会社6社の専用デスクも3階の会議室に作られた。クルーズ専門会社、専門部署のある会社が多いが、そのツアーでも今回のクルーズは参加者の約7、8割が初心者だという。デスクを訪れる旅行者も多く、旅行会社は「質問事項は例にあげられないほど多岐に渡るので、添乗員の必要性を感じる」とコメント。ツアー参加者からも「やっぱり添乗員のいる方が安心」とその存在の心強さを支持する意見も多く聞かれた。
また、乗船客にクルーズに参加した理由を聞いたところ、価格が決め手となり、クルーズに参加して魅力にはまったという人が、シニアのみならず旅好きの30代、40代にも多く見られ、価格力もクルーズの間口を広げるポイントとなっている。このほか、「移動が楽。陸上のツアーのようにホテルを転々とする必要がない」というコメントがリピーターから多くあげられ、クルーズ初心者からも驚きの感想としてあがった。クルーズ以外の旅行では「タイムシェアを持っている」「毎年必ずハワイで過ごす」などが多く、滞在型旅行を嗜好する人には強く勧めることができそうだ。
RCIは来年、アジアクルーズにレジェンドの倍の大きさとなるボイジャークラス2隻を配船する。外国船の日本発着・寄港クルーズはますます拡大する傾向にあり、旅行会社にとっては商材が増加し、顧客からの問い合わせも増える可能性もある。ミキ・ツーリストでは今後、リピーター以外の新客層の取り込みと販売会社の拡大の必要性を認識し、新規拡大を至上命題として強化していく方針だ。クルーズ販売に未着手だった旅行会社も、通常の旅行商品ひとつとして取り扱いをし、自らの領分を広げて収益を広げてほしい。
取材:本誌 山田紀子