外務省、イラクの渡航情報を一部引下げ、南部4県で

  • 2012年8月6日

 外務省はこのほど、イラクに発出している渡航情報のうち、南部4県について「退避を勧告します。渡航は延期してください。」から「渡航の延期をお勧めいたします」に引き下げた。ただし、「所属企業や団体等を通じて組織としての必要かつ十分な安全対策をとることのできない場合、渡航の取りやめ及び国外への退避をお勧めします」としている。

 今回対象となったのは、バスラ県、ムサンナー県、ズィーカール県、ミーサーン県の4県。同省によると、4県では2011年12月の米軍撤退以降、米軍関係者に対する攻撃はなくなり、他地域と比べても治安は落ち着き始めているという。ただし、12年1月に自爆テロ、12年5月にはパレスチナ人ら2名の外国人誘拐事件が発生し、政治関係者や治安組織、宗教関係者を標的とした攻撃や部族間の抗争などは依然として発生している。

 このため、外務省では渡航予定者に対し、もし真にやむを得ない状況で渡航、滞在する場合は、あらかじめ民間警備会社などの安全対策の専門家に相談し、身辺警護処置の実施や、防護処置が講じられている宿泊施設の利用など必要かつ十分な安全対策をとってほしいと呼びかけている。また、渡航や滞在に先立ち、在イラク日本国大使館に対し、氏名や滞在日程、宿泊先、現地で連絡可能な携帯番号やメールアドレスなどを必ず届出し、大使館と緊密に連絡をおこなうこととしている。

 なお、今回の引下げの対象となった地域以外については変更はない。詳細は下記の通り。

▽イラク渡航情報
・バグダッド国際空港敷地内(バグダッド国際空港ホテル及びイラク航空国際ビジネス・センターを含む)、バグダッド国際空港からインターナショナル・ゾーンへの空港道路(ルート・アイリッシュ),バグダッドのインターナショナル・ゾーン、クルディスタン地域、バスラ国際空港敷地内及び南部4県を除くすべての地域
「退避を勧告します。渡航は延期してください。」

・バグダッド国際空港からインターナショナル・ゾーンへの空港道路(ルート・アイリッシュ)及びバグダッドのインターナショナル・ゾーン
「退避を勧告します。渡航は延期してください。」
(真にやむを得ない事情でこれらの地域に渡航・滞在する場合は,所属企業や団体等を通じて組織としての必要かつ十分な安全対策をとってください。)

・バグダッド国際空港敷地内(バグダッド国際空港ホテル及びイラク航空国際ビジネス・センターを含む)、クルディスタン地域(エルビル市を除くエルビル県、スレイマニーヤ県及びドホーク県)及びバスラ国際空港敷地内
「渡航の延期をお勧めします。」

・エルビル市
「渡航の是非を検討してください。」