現地レポート:パラオ、ウェディングの新デスティネーションに
潜在力高いパラオのウェディング
ユニークなスタイル、独自性が強みに
パラオといえば世界有数のダイビングデスティネーションとして知られるが、2010年にデルタ航空(DL)の成田/パラオ直行便が定期便で就航した後、さまざまな旅行需要が喚起されている。そのひとつがウェディングであり、現地旅行会社では「毎月、需要が高くなっていくのを実感している」という。このほど初めて世界自然遺産も登場し、ますます注目をあびそうだ。日本旅行業協会(JATA)の主催する研修ツアーに参加し、パラオウェディングの実状を視察した。
パラオ初の世界遺産登場
新たな需要喚起の予感
ミクロネシアの島嶼国であるパラオは日本に統治されていた歴史もあり、南国でありながらそこここに日本の面影が残る素朴なリゾートである。ダイビングデスティネーションとしてはすでに地位を確立しており、リピーターも多い。
今年4月、パラオ政府観光局(PVA)は新たな旅行テーマとして「ウェディング」を掲げ、セミナーなどでアピールしてきた。直行便があること、飛行時間が4時間30分と短いこと、そして日本との時差がないことなど、ウェディングデスティネーションとして成功する要素は十分。6月29日にはユネスコがパラオのロックアイランドを世界遺産リストに登録する旨を発表しており、ちょうどいいタイミングとなった。
今年4月からはウェディングドレスのメーカーであり、海外挙式の企画・催行を手掛けるクチュール・ナオコがパラオでの事業展開を開始。現地旅行会社とともにパラオでのウェディングを催行している。現在のところ、日本で試着をし、ドレスはグアムから運んで対応しているが、クチュール・ナオコのグアム支店長である植村浩二氏によると、4月から8組の日本人カップルの挙式を手掛け、今年はあと15組の予約が入っているという。グアムの年間2000組(同社取扱い数)に比べれば少ないが、手ごたえを実感しているといい、「近い将来、パラオに支店を出したい」と意気込みを語った。
植村氏によると、同社で扱っている挙式カップルはすべてリピーター。パラオ自体の魅力で、挙式先として選んでいることがうかがえる。植村氏は「手配記録があるのなら、パラオ旅行をしたことがある人にウェディングをアピールしてみては」と提案した。