海外パッケージツアー好調、一部に変化-夏の韓国が前年下回る推移
日本旅行業協会(JATA)が実施した大手旅行会社7社の海外募集型企画旅行の取扱実績と予約状況調査(人員ベース)によると、4月から6月の全方面合計の取扱実績はいずれの月も2011年、および震災前の2010年を上回った。特に中国を除くアジア、ハワイが好調で、旅行会社からのコメントではこれまで動きの鈍かった長距離のアメリカ・カナダやヨーロッパの伸び率も高くなってきている。
7月から9月の予約状況も、いずれの方面も前年実績を上回った。好調のハワイ、中国を除くアジアのほか、アメリカ・カナダ、ヨーロッパもすべての月でプラス推移となった。各社のコメントによると、円高と燃油サーチャージの減額傾向が、長距離方面の伸びにつながっているようだ。
一方、低調な方面は中国。尖閣問題以降、主力のシニアの戻りが鈍く、4月から6月の実績はすべて2010年を下回った。7月から9月では8月が前年比7.6%増となったものの、7月と9月は2ケタ減となっている。
また、発表したJATA企画広報・グループマネージャーの勢子浩之氏が「潮目が変わった」という方面が韓国。7月は前年比16.6%減、8月は1.8%減と前年を下回る推移で、「市内のホテルが取りにくいということもあるが、ピークを越えてそろそろ安定期に入る頃」と変化の兆しを指摘する。
このほか、7月から9月の予約状況については、海の日を絡めた3連休が夏休みにつながらなかったため、7月の動きが鈍いことがコメントで寄せられた。また、9月についても今年は3連休が1回しかないことから、他の月に比べて弱いという。
同調査の対象社はジェイティービー(JTB)、近畿日本ツーリスト(KNT)、日本旅行、阪急交通社、エイチ・アイ・エス(HIS)、ジャルパック、ANAセールスの7社。各社の前年、前々年比の増減率を単純平均したもの。方面別の詳細は下表の通り。