現地レポート:アルバータ南部、異なる切り口のカナダを提案
世界遺産でのハイキングや恐竜化石の発掘体験
FITや教育旅行向け素材も豊富
荒涼とした岩山が広がるバッドランド
恐竜化石の発掘体験も可能
アルバータ州南部のもう一つの見どころは、氷河が溶けた水や川が大地を侵食した半砂漠地帯のバッドランドだ。約1万4000年前に誕生した岩山の下には数多くの恐竜の化石が眠っている。荒涼とした雰囲気で、ウォータートン・レイク国立公園とは全く異なる景色が広がる。
カルガリーから北東に2時間、バッドランドの中心地、ドラムヘラー近郊のロイヤル・ティレル古生物学博物館は、カナダを中心に世界各地で発掘された恐竜の化石やその模型が展示されている。館内の説明版は英語だが、日本語のオーディオガイドも用意されている。
博物館ではティラノサウルスやアルバータサウルスなど化石や骨格標本、恐竜が生息していた当時の自然環境を再現した展示が楽しめる。また、夏には親子向けのキャンププログラムや、仮想発掘場での恐竜発掘など体験プログラムが用意されており、多い時には1日に5000人が博物館を訪問するという。さらに、学生向けに博物館のガイドツアーやハイキング、発掘体験を組み合わせたプログラムもあり、教育旅行に最適だ。我々が訪問した際も、学生団体が博物館を訪れていた。
バッドランドの奇岩も楽しめる
ダイナソー州立恐竜公園
ドラムヘラーから南東174キロの距離には、世界自然遺産のダイナソー州立恐竜公園がある。今でも発掘が進められており、化石発掘の第一線ともいえる地域だ。公園内は数種類のハイキングトレイルがあり、ハイキングツアー、専用バスでのガイドツアー、子供向けの化石発掘デイキャンプなどのプログラムが用意されている。公式ウェブサイトや電話で予約可能だ。
公園内はツアーバスで回ることはできないため、専用バスで回る。24名まで参加できる2時間のバスツアーでは、実際に恐竜が発掘された現場に行き、ケースのなかの標本をガイドに説明してもらえる。山の上に登り、水平線まで続く岩山と、風雨により削られたことで7500万年前の地層がむき出しになった大地を見下ろすのは圧巻だ。
公園への訪問者はカナダへのリピーターで、ある程度英語を話すことができるFITが多く、日本からの訪問者も同様の傾向だ。10名から20名規模の団体旅行も訪れることがあるという。