バリ島初! 世界遺産にバリの水利システム「スバック」が登録されました

  • 2012年7月13日

 2012年6月24日~7月06日、ロシア・サンクトペテルブルグにて開催された国連教育科学文化機関(ユネスコ)の「第36回 世界遺産委員会」にて、バリ島初の世界遺産が誕生いたしました。

 新たに世界文化遺産として登録されたのは、バリの水利システム「スバック」で
* バトゥカル山林保護区内ジャティルウィ地区 (タバナン県)
* タマンアユン寺院 (バドゥン県メングウィ)
* パクリサン河川流域 (ギャニアール県)
* ウルンダヌ・バトゥール寺院 (バンリ県)
を含む五つの棚田地域で、合計約19,500ヘクタールにおよびます。

 9世紀から千年以上にわたって棚田を支えてきた神、自然、人間の密接なつながりを説くバリ・ヒンドゥーの哲学「トリヒタカラナ」を体現した「スバック」が評価され、今回ユネスコに世界文化遺産として認定されました。

 スバックとは「流水の分配」を意味します。

 元々は水資源の不安定なインドで生まれたヒンドゥー教では、水を万物の始原とする地母神信仰が盛んで、これがバリ島土着のアニミズム的汎神論と結びつき、バリ・ヒンドゥーにおいて水が神格化されたことで、スバックの行事や運営は水を中心とする神事と密接なつながりの役割を果たしています。

 近年、ホテルやヴィラの増設で、バリ島のシンボルとされている田園風景が失われ始めています。この世界遺産登録がきっかけとなり、いつまでものどかなバリ島の風景が残ることを願うばかりです。

 バリ島にお越しの際は、是非ご覧ください。


情報提供:エス・エム・アイ・トラベル・ジャパン株式会社日本海外ツアーオペレーター協会