夏の旅行者数、過去最高の7703万人見込む-JTB調査、海外4.6%増
▽旅行支出は増加傾向、旅行回数は2回以上-震災で安心安全を意識
旅行支出に対する意向を訪ねたアンケートでは、「旅行の支出を増やしたい」が2.2ポイント増の16.4%で、「同程度」が0.8ポイント増の53.9%となった。JTBによると、今年はロンドンオリンピックが開催されるが、過去のオリンピック開催年は、自宅観戦のためのテレビ買い換え需要が高まり、旅行消費が影響を受けると言われてきたという。しかし、今年は地デジ化による買い替えが終了したこともあり、影響はほとんどないとの見方だ。
旅行回数では、2回以上の旅行を検討する回答が増加。2回が3.7ポイント増の18.8%、3回が1.9ポイント増の3.5%、4回以上が1.2ポイント増の1.9%となった。国内旅行に限定したアンケートでは、平均旅行日数は前年から0.017泊増加し2.35泊となった。今年は1泊2日が2.7ポイント減の38.4%と減少し、2泊3日が3.4ポイント増の33.0%と増加。4泊5日から7泊8日についても増加した。節電をきっかけに注目された長期滞在旅行は、今年は関西地域にも拡大しており、新しい旅行スタイルとして認知されつつあるという。
また、今年の夏の生活や旅行に関する質問では、「家でのんびりゆっくりする機会を増やす」と答えた回答者が最も多く、旅行を予定する回答者で34.4%、旅行を予定しない回答者で43.5%となった。旅行を予定する回答者の回答からは節電や暑さ対策を心配する傾向も見られ、「涼しい地域に行きたい」と答えた回答者が25.1%となった。また、「海水浴に行くなら安心な地域を選ぶ」が22.3%、「食品や飲料水が安心な地域に旅行する」が21.2%となり、旅行意欲は増しているが、震災の経験を機会に安心や安全を意識していることが伺える。