ニューヨーク、3年連続プラス成長に向けグループ強化も

  • 2012年6月27日

ニューヨーク市観光局ツーリズム・ディベロップメント ヴァイス・プレジデントのマキコ・マツダ・ヒーリー氏 ニューヨーク市からこのほど市観光局など13社のミッション団が来日し、6月26日に東京でセミナーとワークショップ、レセプションを開催した。レセプションで挨拶にたったニューヨーク市観光局ツーリズム・ディベロップメント ヴァイス・プレジデントのマキコ・マツダ・ヒーリー氏は、2011年の日本人訪問者数が震災の影響を受けた中で前年比1.4%増の29万9000人とプラス成長したことを「嬉しいニュース」と紹介し、「本当にみなさんのおかげ。日本市場は回復力が強いことを証明していただいた」と感謝した。

 ヒーリー氏は本誌らの取材に対して、1.4%増の結果について当初は前年割れを予想していたとし、アメリカ全体が4%減となる中でプラス成長を実現したことを評価。チャイナエアライン(CI)が関空線を運航しはじめたことなどに加え、観光局として取り組んできたマンハッタン以外のプロモーションが実を結び、2011年はブルックリンのツアーが造成され、メディア露出もあるなどし、結果的に数を積み上げられたと分析した。

 2012年については、これまでの推移も踏まえ「円高もあり、調子が良いのでこのまま行きたい」としつつ、「欧州危機など世界中で起こっていることと日本は無関係ではなく、それがどう関係してくるかがまだ分からない」と慎重なコメント。その上で、「増加に向けて毎日努力している」とし、着実な微増をめざす考えを示した。

セミナー会場の様子 日本市場での活動方針としては、引き続きマンハッタンの需要を確保しつつ、ダウンタウンやクイーンズ、ブルックリンなどをアピール。さらに、MICEや教育旅行など団体旅行市場の取り組みを強化する考えで、今回のミッション団でも通常のセミナーとは別に、6月27日に団体旅行のセミナーとワークショップも開催した。

 ヒーリー氏は、高級ブランドの店舗でのレセプションやヤンキースタジアムでのイベントなど、様々なアイディアを柔軟に実現できることが「ニューヨークの武器」であるとし、旅行会社に活用してもらえるよう材料として提供していきたいと語った。

 なお、ヒーリー氏はニューヨークでの新しい話題として、NBAチームの「ネッツ」がニュージャージーからブルックリンに本拠を移すことにあわせ、チームの本拠地となるバークレーセンターが建設中で、9月にオープン予定だと紹介した。