日本航空、株式上場に意欲-LCC国内線、影響軽微も今後の動向に注目
日本航空(JL)代表取締役社長の植木義晴氏は、6月26日に開催した定例会見で「地方路線にネットワーク張っていくことは我々の望みでもあり、使命でもある」と述べ、「そのためにも健全な民間企業として再出発することが必要。上場を果たすことがその第一歩」と株式上場に意欲を示した。
JLは6月20日に東京証券取引所第1部に再上場を申請。植木氏は企業再生支援機構の支援や、債権者に対する債権放棄などについて「常に感謝の念を持っている」と感謝を示した。企業再生支援機構の3500億円の投資については「我々としては一刻も早く、上場という形で確実にお返ししたい」考えだ。
上場後は安全運航の堅持と業績の向上をはかり、株主に対しては「配当に関して必ずしっかりやっていく」考え。優待航空券など株主特典については、現在内容を検討中だという。
上場については、同業他社などから、繰越欠損金による法人税の減免措置などが上場後も続くことで、市場競争の観点で不公平ではないかという指摘がなされている。これについて、植木氏は会社更生法や企業再生支援機構のルールに従い今までやってきたとし、業績についても「社員が努力を重ねてくれた結果が業績につながっている」と説明。「(決算で)我々も思っても見なかった数字が出たが、数字の結果のみをとって不公平、不公正という言われ方をしても、我々としては受け入れがたい」と述べた。
▽LCCの影響は軽微も今後の動向に注目
新規就航が相次ぐLCCについて、植木氏は「カニバリゼーション(市場の食い合い)は決して0ではない。その部分も通年計画に盛り込んで数字を出している」と述べた。たとえばピーチ・アビエーション(MM)では、関空/新千歳線が競合だが、今のところ大きな影響は出ていないとし、「(MMに)思ったよりも新規需要を開拓していただいている」と見る。ただし、今後ジェットスター・ジャパン(GK)やエアアジア・ジャパン(JW)が就航することで、「我々も注意していかなければならない」と、今後のLCC各社の動向に注目してく考えを示した。
また、同社が株主のGKについては、安全を基盤とした運航のもと、業績を上げて欲しいと述べた。JLとしても「部分部分においては補完的にジェットスターと協力していきたい」考えだ。