アクセスランキング、1位はJALチャーター、渡航先人気順位も
[総評] 今週は、日本航空(JL)の国際線チャーター計画に関する記事が1位になりました。11年度冬の実績、12年度夏の計画、B787型機によるチャーターの可能性など盛りだくさんの内容で、通常のニュース記事よりも長くなってしまいましたが、ご興味のある方にはお役に立てたのではないかと思います。
取材にお応えいただいたJL本店国際旅客販売推進部国際業務部グループアシスタントマネジャーの宮城孝浩氏は、「チャーターの規模を大きく増やすことはしばらくない」と話された上で、「まだ我々の生産規模を上回るニーズがあり、もっとできる」との考えを示されています。
4位のニュージーランド航空(NZ)の記事でもCEOのロブ・ファイフ氏が、2009年以降では最多となる15本のチャーターを日本全国から運航する予定と話されました。先日、あるアジア系航空会社の方とお話したのですが、その会社でも第三国行きを含めて日本発のチャーターを強化されているとのことで、JLを上回る規模の運航を視野に入れているとのことでした。
LCCが大きな注目を集める昨今ですが、こうして見るとチャーターもダイナミックに動いているようです。チャーターは、かねてから旅行会社が主体的に役割を果たせるという意味で利用の活発化が求められてきており、2008年12月にチャーターの規制緩和が実現して以降、こうした成果に結びついていることは喜ぶべきことでしょう。
昨年のルズエアーなどの問題により、チャーターに対する目が厳しくなっているとも聞きますが、リスクを過剰に恐れて良い流れまで止めてしまわないようにしたいものです。宮城氏は取材中、チャーターの利点を「行きたい時に行きたい場所へ」との言葉で表現されていたのですが、この利点は旅行会社抜きでは提供され得ないものであり、旅行会社の存在意義に直接的に結びついています。
さて、今週はこのほか、渡航先の人気に関する記事が2本ランクインしました。この手の調査は様々な企業が手がけており、微妙に結果が異なることもあるものの、実際の渡航実績となると韓国の首位は不動のものとなっている様子です。韓国は「安・近・短」の最たる例といって差し支えないと思いますが、2011年の日本人訪問者数は330万人。距離が近く値段が安くても現地での体験に魅力がなければ、これほどの規模に達することはないでしょう。
個人的に、行くべきでないデスティネーション、魅力のないデスティネーションというものは存在しないと考えています。もちろん、興味は人それぞれなのでしょうけれども、そこに人が暮らしていれば文化があり、期間の長短はあっても歴史があるわけで、逆に人がいない場所にも手付かずの自然など、見聞きし体験した旅行者の心に何かを残す要素があるはずです。
多様な魅力が世界中に散らばっている中で、お客様をどこにお連れするか。別々のデスティネーションでも知識がないと同じように見えてしまう魅力を、どのようにしてお伝えするか。この課題はいつまでも残っていくものかもしれませんが、旅行会社だけでなく旅行業界で働く一人ひとりが常に考えていくべきこと、考えていかなければならないことではないかと思います。(松本)
▽日刊トラベルビジョン、記事アクセスランキング
(2012年6月第4週:6月16日0時~6月22日16時30分)
第1位
◆JALチャーター、「工夫」で需要開拓-将来的にはB787活用も(12/06/19)
第2位
◆LCCのスクート、B777で成田/台北/シンガポール線開設-運賃は4割安(12/06/18)
第3位
◆カンタス分社化、顧客には「変化なし」-羽田は検討継続(12/06/18)
第4位
◆ニュージーランド航空、CEOが日本重視を強調、過去最多級チャーター運航へ(12/06/17)
第5位
◆12年の「行きたい」渡航先はイタリア、11年の「行った」1位は韓国(12/06/19)
第6位
◆成田、LCC国内線就航でターミナル対応強化-早朝便に対応(12/06/21)
第7位
◆ハーヴェスト、行政処分予定の再考求める-観光庁の聴聞で陳述書(12/06/18)
第8位
◆JTBGMTとJTBエイティーシーが合併、訪日拡大-アジア強化、MICEやWEBも(12/06/20)
第9位
◆渡航先ランキング、ロンドンが2年連続1位、東京は成長率2位(12/06/21)
第10位
◆JATA、新役員体制-政策検討特別委員会新設、委員長にJTB田川氏(12/06/17)