国交省、貸切バス安全対策で通達、省令-旅行業者の禁止行為、義務付けも
国土交通省は関越自動車での高速ツアーバス事故を受け、今夏の繁忙期に向けた安全確保のための緊急対策を取りまとめた。国土交通副大臣の吉田おさむ氏を座長、津川大臣政務官の津川祥吾氏を座長代理とする検討チームでまとめ、6月11日の政務三役会議で決定したもの。「1.緊急重点監査」「2.安全確保のための基準等の強化」「3.安全等に関する適切な情報の提供・把握」「4.関係者の連携・フォローアップ」の4項目について具体策を取りまとめており、6月中に通達および省令も制定する。
例えば、旅行業者の禁止行為に、安全の確保が不十分な一定の運送サービスを提供する行為を追加。また、高速ツアーバス運行事業者リストなど、安全情報の提供を内容とする「高速バス表示ガイドライン(仮称)」を作成し、旅行業者及びバス事業者に対し、夏の多客期までに販売サイトなどを含め、これに沿った表示をするよう指導する。また、同ガイドラインを踏まえ、消費者庁と調整して旅行業者による企画旅行の広告では、高速ツアーバスの安全性に係る事項の表示を義務付けることを通達し、省令でも制定する。さらに、ツアーバスを企画する旅行業者に対し、旅行業者と貸切バス事業者による「安全運行協議会(仮称)」を6月中に設置することを通達。安全確保に向けた情報共有や勉強会、内部チェックなどの継続的実施を促す。
国交省では関係省庁と連携・協力し、今回決定した緊急対策を直ちに実行に移すとともに、その実施状況を踏まえ、必要がある場合はさらなる対策の追加、運用の改善をしていく方針だ。また、引き続き、旅行業者と貸切バス事業者の公正な取引確保や運賃・料金制度のあり方などの検討をすすめていく。