バンコクでTTM開幕、日本市場は不安材料を抑えて成長

  • 2012年6月7日

TAT東アジア局長のジャムノン・ジュンナピヤ氏(バンコク発:本誌特派 岩佐史絵) バンコクのコンベンションセンター「IMPACT」で6月6日、タイトラベルマートが開幕した。今年で11回目を迎えるタイ最大のBtoBイベントで、正式名称は『Thailand Travel Mart Plus Amazing Gateway to the Greater Mekong Subregion (TTM+)』。その名の通り、タイだけでなくベトナムやラオスなどメコンエリアの周辺諸国からの出展がある。380社のセラー、460社のバイヤーが世界60か国から集結し、盛況。今年は特に、日本でも人気急上昇のブータンが参加しており、「バンコク経由ででかけるブータン」といった組み合わせにも注目が集まりそうだ。

 今年のテーマはゴルフ、ヘルス&ウェルネス、エコツーリズム、ウエディング&ハネムーン。日本からはゴルフ旅行を主に取り扱う旅行会社などが東京、大阪、福岡などから参加している。

 タイ国政府観光庁(TAT)東アジア局長のジャムノン・ジュンナピヤ氏によると、昨年の日本人渡航者数は112万6221人。日本での震災、タイ国内での洪水の影響があったにも関わらず、前年比13.34%の伸びを示している。今年の目標値は「前年を上回ること」だが、1月から4月までの渡航者数は前年同期比9.24%増。懸念材料はあったものの、順調に快復・成長しているといえそうだ。

 TATでは、昨年末より開催している「ビューティフル・タイランド」キャンペーンに続き、「ミラクルイヤー・アメージング・タイランド」キャンペーンとして、各国でテーマを決めそれに沿ったキャンペーンを展開している。これは今年、国王が84歳、王妃80歳、皇太子が60歳となり、タイで縁起が良いとされている数字が並ぶため、「ミラクルイヤー」と設定したもの。

 日本では旅行会社、航空会社などと協力し、ゴルフ、女性向けをテーマにお得なパッケージ商品を販売。特に今年から2013年にかけては女性を重要なターゲット層と位置付けているほか、修学旅行にも再び力を入れ「将来につなげていきたい」という。

 近年、中国市場に押され気味といわれる日本だが、ジャムノン氏は「日本は依然として重要なマーケット」と断言。というのも、「112万人超の日本人渡航者の多くがタイの魅力をよく理解したうえで何度も訪れてくれるリピーター。将来的に安定しているのは日本」だと見ているため。ジャムノン氏は、タイからのアウトバウンドについても触れ、タイ人の日本への関心の高さから、日本/タイ間の「ツーウェイツーリズム」をめざしていく考えを示した。

 このほか、記者会見ではTATヨーロッパ、アフリカ、中東、南北アメリカ担当副総裁のジュタポン・レーンロンナーサ氏が登壇し、近年のTATによる“DISCO”と呼ばれる取り組みを説明。これは、「デジタルマーケティング(Digital Marketing)」「イメージビルディング(Image Building)」「サステナブル(Sustainable)」「具体的な危機管理(Crystallization & Crisis management)」「オーガニゼーションマネジメント(Organization Management)」の頭文字を取ったもので、今後もこれらのコンセプトをもとに様々なプロジェクトを推進していく方針という。