現地レポート:クロアチア、ドブロブニク路線増加で新商品の可能性も
海外旅行の高頻度層中心に人気が安定化
アクセス利便高まり、新ツアーの可能性も
リゾートで発展した観光地、滞在型のツアーも
旧市街から車で5分。ロープウェーでアクセスできるスルジ山の展望台からの景色には、ドブロブニクが「アドリア海の真珠」といわれるゆえんを実感した。城壁に囲まれたオレンジ色の小さな町を抱くような紺碧のアドリア海。そこに浮かぶ島々とクルーズ客船。城壁の中からだけでは分からなかった、ドブロブニクの全容を体感できる場所だ。
各社のツアーパンフレットでは、クロアチアは中欧に分類されているが、アドリア海を挟んでイタリアと隣り合う位置にある。ドブロブニクはその南端の沿岸にあり、気候的にも地中海性気候である。また、クロアチアには1244の島があり、ドブロブニク周辺はまるでエーゲ海沿岸のリゾート地のような景色を見せる。もともとリゾート地として開発が進んだといい、欧米諸国から世界的なセレブブリティも訪れる。受け皿もしっかりしており、日本市場でもリゾート地としての可能性も十分に考えられる。
例えば、ドブロブニク地域には8軒のホテルと4軒のヴィラで構成する「アドリアティック・ラグジュアリー・ホテルズ」(ALH)というホテルグループがある。このうちの1つ、ホテル・エクセシオールは、今年で開業100年の5ツ星ホテル。入江を挟んで旧市街を眺められる絶好の立地で、日本のツアー利用も多い。総支配人のヤスナ・ドゥルコビッチ氏によると、最近はFITで訪れ、ベランダでのんびりとスケッチを書いたり、家族でゆったり過ごす日本人も増えているという。すでに旅行スタイルは少しずつ、広がっているようだ。
また、ドブロブニクから15キロほどの古都、ツァブタットにあるホテル・クロアチアも5ツ星。総客数487室のリゾートホテルで、敷地内にはプール、散策道、スパも備える。空港からは約10分の距離にあるので、通常のパッケージツアーの利用も考えられるだろう。9つある会議室はドブロブニク近郊で最大の規模だといい、ミーティングやコンベンションの利用が多い。MICEの新デスティネーションとしても利用を考えてみたい。
なお、ドブロブニクの食だが、アドリア海の魚介を中心に素材を生かしたシンプルな味付けの料理が多く、日本人の舌に合う。ドブロブニク近郊はブドウ栽培も盛んで、ワインも美味しい。
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