JTB、12年はグローバル展開やウェブ販売強化へ
今期業績予想は増収減益-構造改革重視、積極投資で
ジェイティービー(JTB)は2012年度、グローバル戦略、ウェブ販売、地域交流ビジネスの強化に重点的に取り組む。5月25日の会見で、JTB代表取締役社長の田川博己氏は「今年は(100周年の)節目の年。そういう年にしっかりと飛躍ができるか」が重要とし、歴史を振り返りながら未来に向けて新しいものを作り出す「温故創新」をキーワードに、「仕掛けをしっかりして、前向きにそうした流れを作っていきたい」と意欲を示した。
グローバル戦略では、JTBのノウハウや機能を世界で活用し、「世界発世界着」の需要の取り込みをはかる。田川氏は、アジア中心の展開になるとは思うとしながらも「ヨーロッパ、アメリカにも大きな拠点がある。アジアからでなく世界から考えていきたい」と語る。また、日本企業の海外進出が進むなか、企業に対し海外と日本国内で一体的にセールスを展開していく考え。インドやブラジルなど、日本企業の進出先として注目が高い地域に拠点をつくりたいとした。
ウェブ販売では、ソーシャルネットワークの普及で消費者のニーズが多様化するなか、ウェブサイトを刷新し「単なる予約サイトではなくJTBのもつ質も普及できる」新しいチャネルとして提供していく。また、店頭販売とのクロスチャネル化も推し進めていく。さらに、スマートフォンやタブレット利用者に対するサービス体制を今年1年で確立していく考えだ。
地域交流ビジネスでは、訪日需要拡大に向け、着地型ビジネスの開発にさらに注力していく。田川氏は「地域の観光素材を開発し、磨き、促進して世界に発信する。そこまで一気通貫でやっていきたい」と意欲を示した。
また、田川氏は「着地型と商品開発をセットでやり、競争力のある商品をお客様に提供していきたい」と、国内商品の改革を実施する考えを示した。エースJTBで仕入れ造成からマーチャンダイズに至るまで改革を実施中で、下期から積極的に商品を展開していくという。
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