4月出国者数、3ヶ月連続で過去最高、1800万人達成に期待

 日本政府観光局(JNTO)が取りまとめた2012年4月の日本人出国者数(推計値)は、前年(2011年)比25.1%増の139万5000人となり、4月としては過去最高となった。単月での過去最高更新は3ヶ月連続で、前々年(2010年)比でも15.0%増と好調に推移している。

 1月から4月の累計では11年比15.6%増、10年比13.0%増の602万4000人。過去16年間を平均すると、1月から4月の累計出国者数が年間の総出国者数に占める割合は約32%で、単純計算すると12年の出国者数は、過去最高となった2000年の約1780万人を大きく上回る約1880万人となる。

 公益財団法人日本交通公社で主任研究員を務める黒須宏志氏は、11年12月の時点で12年の出国者数を11年比約2%増となる1740万人と予測していたが、10年比でも2ケタ成長が続く現状について「想定を上回る伸びが続いている」とコメント。黒須氏によると、インバウンドが回復しきっていないことで日本発の座席が確保しやすいことも一因だが、需要自体が伸びているのも事実という。

 座席数については、インバウンドとの関係による利用可能な座席が増えただけでなく、総座席も増えたといい、上期の日本発着国際線の座席は当初予測の11年比7%増が14%増になっているという。2012年の出国者数の見通しについては「少なくとも2%増で終わる状況ではない」との考えで、現状に加え、11年にすでにプラス成長に転じていた下期の動向などを踏まえて分析していく予定だ。