高速ツアーバス事故、業界が自主指針-来夏までに一本化へ

  • 2012年5月16日

高速ツアーバス連絡協議会会長の村瀬茂高氏に要請書を手渡した国土交通大臣の前田武志氏 国土交通大臣の前田武志氏は5月16日、関越自動車道で4月29日に発生した高速ツアーバスの事故に関連して、日本旅行業協会(JATA)会長の金井耿氏、全国旅行業協会(ANTA)副会長の徳永雅典氏、高速ツアーバス連絡協議会会長の村瀬茂高氏、日本バス協会会長の堀内光一郎氏の4名に、高速ツアーバスなどの安全対策強化を要請した。また、高速ツアーバス連絡協議会は、事故の再発防止に向けて自主的に策定した「高速ツアーバス安全確保指針」を発表した。

 前田氏からの要請は、「運転時間の基準や交代運転者の配置指針が見直されるまでの措置として、夜間の長距離運行に交代運転者を配置するなど自主的な安全対策を実施すること」、「高速ツアーバスを、バス事業のあり方検討会の報告を踏まえた方針に則って、『新たな高速乗合バス』にできるだけ早期(新制度の施行後1年以内を目標)に移行すること」、「自動車局と観光庁で貸切バス事業者と旅行業者が文書により取引内容を明確化する仕組みを導入するので、これに協力すること」、「そのほか、貸切バスの安全対策全般の見直しに積極的に協力すること」の4点。

 「新たな高速乗合バス」は、現在は高速ツアーバスを運行する事業者が、事前に国の許可が必要となる高速乗合バスに移行するもので、2013年7月までの移行を求められたことになる。また、自動車局と観光庁による仕組みは細部を検討中だが、早急に通達を出す意向だ。