現地レポート:ノルウェー(2)、顧客満足度が高まる北極圏のアクティビティ

  • 2012年5月17日

オーロラとともにプッシュできる
北部ノルウェー、冬の観光素材

「また来たい!」を動機づけるアクティビティ

キングクラブはタラバガニの一種で、戦後の食糧難解消のために日本から輸入し、北ノルウェーで生息するようになったという

 キルケネスには魅力的なアクティビティが満載だ。そのひとつにキングクラブサファリがある。凍ったフィヨルドの穴にあらかじめ仕掛けられた網を引き上げる。この日も大ぶりのタラバガニが揚がった。とれたてのカニはキッチンで蒸し上げられ、そのままランチに。新鮮な肉厚のカニを好きなだけ食べられる、なんとも贅沢なひと時だ。キングクラブサファリは夏場も体験できる。

一面白銀の世界をハスキー犬が引く犬ゾリで進む体験は北の大地ならでは

 また北極圏で欠かせないアクティビティといえば、やはり犬ゾリだ。人なつこくて、よく訓練されたハスキー犬が嬉々としてソリを引く姿はなんとも愛らしい。さらに若者や行動派にはスノーモービル体験もお薦めだ。何十キロも続く凍ったフィヨルドを駆け抜ける爽快感はたまらない。信号も障害物もないので、ぜひ運転にトライしてみたい。

 夏季はフィヨルドやバレンツ海、無数に点在する大小の湖や川での釣りやボートクルーズ、森林ハイク、トナカイ牧場見学などが人気だ。

 わずか数時間でも現地の自然を体感できるアクティビティをツアーに盛り込めば、たとえオーロラや真夜中の太陽を観られなくても顧客満足度は確実に上がるだろう。




服装と持ち物

 旅行者からの問い合わせが最も多いのが服装や持ち物に関して。実際に行ってみて気づいたことをまとめてみた。

▽春夏シーズン

 西南部のフィヨルドツアーも含め、夏場といえども夜間やクルーズのデッキでは冷え込むため、セーターまたはフリース、風を通さないウィンドブレーカーなどは必携。天候が変わりやすいため、突然の雨に備えてフード付きの防水ポンチョか雨合羽などを用意したい(写真を撮る際は傘よりも便利)。また昼の日射しは強いため、サングラスやUVケアも忘れずに。

▽秋冬シーズン

 ウール製の肌着または発熱性の機能性下着&靴下を着用したい。夜間のオーロラ鑑賞には下着&靴下の重ね着もお薦め。天候が変わりやすいため、防寒コートはフード付きで防水性のものが適しているが、なければコートの上から羽織れるようなフード付き雨合羽などを持って行きたい。靴は雪の上でも歩けるように防水性で底が滑りにくいものを。

 また耳が隠れるような防寒用の帽子、目元が出るようなフェイスマスク、マフラー、手袋、使い捨てカイロなどもあるといい。カメラの操作時でも使えるような薄手の手袋やスマートフォン手袋なども便利だ。

 オーロラ撮影には三脚や予備のバッテリーのほか、カメラを急激な温度差から守るための携帯用保冷バッグ(ショッピング用でOK)、ヘッドライトかペンライトがあると非常に役立つ。



取材協力:スカンジナビア政府観光局、ビジットトロムソ、北部ノルウェー観光協会、ノルウェー沿岸急行船(フッティルーテン)
取材:本田泉