観光庁、「地域限定第3種」など検討、着地型振興で

  • 2012年5月15日

 観光庁は現在、「地域限定第3種旅行業(仮称、以下同じ)」の創設など着地型旅行の促進策の検討を進めている。これは、2011年4月に閣議決定された「規制・制度改革に係る方針」の中で、「着地型観光に即した各種業規制の見直し」として、「地域自らが主催する募集型企画旅行に関して、一定の条件の下に、旅行業法 第3種旅行業者の適用除外や第4種として新たなカテゴリーを創設するなど、消費者保護の観点も踏まえつつ、地域のリソースを使いやすくする方策について、検討し、結論を得る」とされていたことに基づくもの。

 「地域限定第3種」の案では、第3種とは別に「地域限定第3種」を設定。現在の第3種の募集型企画旅行と同様、その会社の営業所がある国内の市町村とそれに隣接する市町村、離島や一定の半島地域のみで、着地型ツアーを催行可能とする。第3種との差として、受注型や手配旅行についても地域内に限定している。営業保証金や基準資産額については検討中だ。また、同時に第3種と「地域限定第3種」について、募集型企画旅行を実施する際の事前収受金を撤廃することも盛り込んでいる。

 観光庁観光産業課では、「地域限定第3種」の案は複数の検討項目の中の一つで、現行第3種の業務範囲の見直しなどの案もあると説明し、今後の検討スケジュールも明らかにしなかった。ただし、「規制・制度改革に係る方針」では23年度中に検討し、結論を得ることになっているため、すでに遅れが出ている状況であることから、検討作業を急ぐ可能性もある。

 なお、全国旅行業協会(ANTA)は5月15日の理事会で、「地域限定第3種」の創設を見越して、協会入会金と会費の設定に関する案について議論。今後それぞれの金額などを調整し、6月の通常総会に提案することを決めた。一方、日本旅行業協会(JATA)では現時点で対応について検討はしていないという。