現地レポート:フランス(2)、人気高まるミディ・ピレネーのハイキング

  • 2012年5月10日

アクティブシニアの注目高まるミディ・ピレネーのハイキング
パリとの組み合わせで「山ガール」にも訴求

コートレ起点にフランス最古の国立公園へ

ピレネー国立公園には峻険な山々が並ぶがアクセスは意外に容易だ

 ピレネー国立公園はフランスで最も古い国立公園だ。スペインとの国境地帯に多様な渓谷があり、高山植物などが多彩な生態系を形成している。国立公園のビジターセンターまではコートレから車で簡単にアクセスできる。そこからハイライトのひとつコーブ湖までは、ロープウェイやリフトを使って行くことができるほか、山間のトレイルをハイキングしながら登ることも可能だ。

スペイン橋までは車で行くことも可能。川沿いに遊歩道が整備されてある

 途中には滝のような勢いで流れる川にかかるスペイン橋がある。アーチ型の石橋と自然のコントラストが美しい場所で、多くのハイカーがここに立ち寄る。国立公園の玄関口にあたるコートレは、夏はハイキング、冬はスキーの拠点として賑わう山間のかわいい町。温泉地でもあり、かつては多くのセレブたちも保養に訪れた。

 ミディ・ピレネーには、山間にコートレのような魅力的な村が多く点在し、どこも通り過ぎるのがもったいないくらい。休憩で立ち寄るだけでも、旅のちょっとしたアクセントになるはずだ。「地方を見ないとフランスは分からない」とATFの高橋さん。パリやモンサンミッシェルしか知らない人にとって、ピレネーは新しいフランスを発見できるデスティネーションだろう。フランスへのリピーターを増やすためにも地方の観光力を生かしていきたいところだ。




オート・ピレネー県観光局、パリ・プラスのデスティネーションとしてアピール

オート・ピレネー県観光局のアナ・フォンタン氏

 研修ツアーで訪れた観光スポットはミディ・ピレネー地方最南部のオート・ピレネー県にある。山岳地帯ながら、各ポイントへの移動は約2時間圏内とコンパクトにまとまっている。同県観光局のアナ・フォンタンさんは「トゥールーズからもアクセスがいいので、3泊あれば、主要なスポットは回れる」と旅程の組みやすさを主張する。

 現在、ピレネーまで足を伸ばす日本人観光客は多くないが、フォンタンさんは「ミディ・ピレネー観光局やATFと協力しながら、パリ・プラスのデスティネーションとしてアピールしていきたい」と、今後の日本市場でのプロモーションに力を入れていきたい考えを示す。また、「日本でもハイキング人口が増えていると聞いている。ピレネー国立公園には初心者でも歩けるコースが多いので、本格的なハイカーでなくても楽しめるのが大きな特徴」と話し、幅広い層に受け入れられるデスティネーションであることを強調した。

>>>ミディ・ピレネーの概要、聖地ルルドのレポートはこちら
 現地レポート:フランス(1)、ミディ・ピレネーで新しいフランスを発見

 

取材協力:フランス観光開発機構エールフランス航空ミディ・ピレネー地方観光局
取材:山田友樹