JAL、B787を5月から3路線に-12年決算は営利1800億円「大幅超え」
日本航空(JL)は5月1日から成田/デリー線、5月7日から成田/モスクワ線と羽田/北京線に、ボーイングB787型機を導入する。近日中にB787型機の3機目と4機目を受領し、ボストン線を合わせて4路線を4機で運航する計画だ。JL代表取締役社長の植木義晴氏は4月24日の会見で「引き続きB787の特性をフルに生かした路便計画、サービス計画を着実に実行していきたい」と意欲を示した。今後は2012年度末までに合計10機程度、2016年までに33機を受領する計画だ。
現在、成田/モスクワ線は週3便、デリー線は週4便で運航しており、機材はボーイングB777型機を利用。羽田/北京線は週7便の運航で、ボーイングB767型機で運航している。B787導入以降は全便をB787で運航することになる。
すでにJLは4月22日に運航を開始した成田/ボストン線にB787を導入しており、初便はほぼ満席と好調。植木氏は機内の快適な湿度と気圧など「快適性を追求したサービスを満足いただけたはず」とし、「初号機をボストン線に運航させるという我々の判断は間違っていなかった」と自信を示した。予約状況は4月はほぼ満席、5月も9割以上が埋まるなど好調に推移している。
▽3月期連結業績、営業利益予想1800億円を大幅超過の見込み
植木氏は2012年3月期の連結業績について、「通期予想の営業利益1800億円は大幅に超えるものと推測している」と述べた。第3四半期までの好業績に加え、第4四半期も国際線が堅調に推移しており、国内線も1月、2月では当初計画値を下回ったが、3月で取り戻したという。燃油サーチャージの上昇などマイナス要因もあるが、整備費、共通経費、広報宣伝費などの費用の削減などコスト削減への努力が奏功したという。
なお、株式上場については「準備も進めており今のところ順調」であるものの、上場後の安定的な経営のためにある程度の安定株主が必要との考え。その上で植木氏は、ブリティッシュ・エアウェイズ(BA)が株式保有に興味を示していることに触れ「我々の経営状況を見て魅力ある会社だと思ってもらえたのは嬉しい」とコメント。ただし、ワンワールドの航空会社が株主対象になりうるかは、可能性があるという程度とした。