観光は成長産業の柱、地方の観光資源掘り起し情報発信を-WTTCサミット

  • 2012年4月18日

 第12回世界旅行ツーリズム協議会(WTTC)グローバルサミットの東京サミットが4月18日に開催された。「日本の今、そして未来」と題したセッション1では、東日本大震災が日本の旅行業界に与えた影響について検証し、回復に向けた道筋について議論した。

 まずは基調講演に登壇した国土交通副大臣の奥田建氏が、震災後の政府の取り組みについて紹介。奥田氏は観光産業の発展に向け、観光の裾野の拡大を掲げ、拡大する新興市場、特にアジアの取り込みや国際会議誘致などのビジネス需要の取り込みを進めていくと説明。また、そうした取り組みのひとつとして、沖縄での数次ビザ導入や、被災地3県を訪問する訪日外国人観光客に対しビザの発給手数料を免除していることを紹介した。

 セッション後半のパネルディスカッションでは、ジェイティービー(JTB)代表取締役社長の田川博己氏が、観光産業が地域経済発展の貢献につながることについて言及。これまでの日本の旅行業界は移動や宿泊を手配する代理業であったとし、「本来の旅行業のやるべきことは、地方都市であることの魅力を掘り起し、磨き上げて情報発信すること」だと話した。また、日本航空(JL)代表取締役会長の大西賢氏も、現在日本を訪れる訪日外国人のうち、関東圏と関西圏への訪問が圧倒的に多く、一極集中していると指摘。地方について、「情報の発信力と受け入れる環境整備について改善の余地がある」と述べた。

 セッション1では、観光産業が日本の成長産業の柱であることは共通認識とされ、観光需要の拡大に向け、日本各地の観光資源を開発し発信するとともに、受入の整備を進めていくことが重要であると話された。

 なお、詳細については後日掲載予定。