JNTOと国際交流基金、統合や連携強化で検討会

  • 2012年4月3日

 政府は国際観光振興機構(日本政府観光局、JNTO)と国際交流基金(JF)との統合あるいは連携強化のあり方を検討するために検討会を設置し、このほど第2回会合を開催した。これは政府が1月に閣議決定した「独立行政法人の制度及び組織の見直しの基本方針」に基づいたもの。

 検討会ではJNTOとJFの統合あるいは連携強化のあり方の方向性として、検討の際の課題や留意点を整理。各本部事務所について、連携による相乗効果で政策実施機能の強化や経費の削減効果などが期待できることから、統合や共用化を検討するとした。また、海外事務所については共用化やワンストップサービスの実現などをめざす考え。すでにバンコク事務所や北京事務所では共用化を実施しており、それ以外の都市でも今後具体的な作業に着手する計画だ。また、相乗効果が見込める事業全般の連携を制度化するため、各法人間で共同作業チームも立ち上げた。

 一方、検討にあたり精査すべき留意点として、各法人の政策目的の違いを考慮し「それぞれの有する高度な専門性の追求や政策目的の達成を妨げないようにする必要がある」とした。また、JNTOやJFが築いてきたブランドに触れ、国際社会におけるステータスへの影響を考慮するべきとの考えだ。今後は検討課題について具体的な調査、検討を実施し、2012年夏までに結論を出す計画だ。実施可能なものについては順次おこない、法令など制度改正が必要なものについては必要な作業を早急に実施する。

 また、JNTO、JF、国際協力機構(JICA)、日本貿易振興機構(JETRO)の海外事務所について、3法人以上の海外事務所が設置されている16都市を対象に機能的な統合の方向性について取りまとめた。外務省、経済産業省、観光庁と4法人からなる実務者会合を設置。機能的な統合に必要な情報収集、各地の問題点を確認するため、在外公館主催の各法人代表者を招集した会議も開催した。

 今後は各法人で同一ビルへの入居など共有化、近接化に取り組むとともに、法人ごとにワンストップサービス担当者を任命し、業務連携の強化をはかる。4月以降は16都市ごとに決定した取りまとめ法人を中心に、他法人と共に入居できる物件を探すための調査などを実施していく。さらに、16都市以外でも、2012年夏までに機能的な統合のあり方など個別に検討していく考えだ。