キャセイグループ、総売上は1割増も純利益は6割減に

  • 2012年3月27日

 キャセイパシフィック航空(CX)グループは2011年度(2011年1月~12月)通期決算で、総売上げは前年比9.9%増の984億600万香港ドルだが、純利益は60.8%減の55億100万香港ドルとなった。過去最高であった2010年度の140億4800万香港ドルから大きく減少した。ただし、昨年度は香港エアカーゴ・ターミナルなどの株式売却や中国国際航空(CA)の一部株式のみなし処分に伴う経常外利益で約30億超が計上されており、この分を考慮すると2011年度の純利益は50.1%減の55億1400万香港ドルとなる。

 旅客部門における収入は14.2%増の677億7800万香港ドル。CXと香港ドラゴン航空(KA)をあわせた年間総輸送旅客数は2.9%増の2760万人に増加した。ただし、輸送能力は9.2%増となり、座席占有率は3.0%減となった。上級クラスの需要が堅調だったほか、エコノミークラスの座席占有率も高水準で推移し、特に北米路線と東南アジア路線が好調だった。ただし、日本とタイの災害はマイナスの影響となった。支出の最大の項目は燃料費で、燃料ヘッジによる影響を除いた年間燃料コストは44.1%増の124億5500万香港ドルとなった。

 CXグループでは2012年、新たに計19機の運航機材を受領し、長距離路線にプレミアム・エコノミークラスと新型エコノミークラスを投入。顧客の満足度向上を目的とする積極的な投資を継続する。KAでも運航機材の増強や新プロダクトの投入、就航都市の拡大をはかるとしている。