現地レポート:英国、オリンピック年に文化イベントも充実

  • 2012年3月16日

オリンピックイヤーにあわせ文化イベントもアピール
スポーツにアートや演劇、シェイクスピアのエッセンスも

1769年に出来た歴史あるロイヤル・アカデミー・オブ・アーツで現代アートの特別展  今年は、ロンドンオリンピック&パラリンピック、エリザベス女王の即位60周年(ダイアモンド・ジュビリー)など注目のイベントが続く英国。この機に英国政府観光庁では、日本も含めた全世界9000万人の潜在的旅行者に向けた史上最大級のイメージ・キャンペーン“「GREAT」広告キャンペーン”をおこなっている。「スポーツの祭典だけでなく幅広い魅力を」ということで、ロンドンを中心に、今が旬の英国の文化面の魅力を取材した。


ロンドンの魅力的なアート・シーン
賑わう特別展の数々

エリザベス女王の貴重なポートレートの数々を見ることができるデイビット・ホックニーの特別展。入場に人が並ぶ人気 ロンドンは、もともとナショナル・ギャラリーや大英博物館をはじめ、数多くの美術館や博物館が無料で楽しめるということが、訪問する大きなメリットの一つである。加えて、有料にはなるが、今ここでしか見られないという企画展の開催も数多い。まず、ダイアモンド・ジュビリーを記念して、ヴィクトリア・アンド・アルバート博物館で開催されているのが、エリザベス女王在位60周年記念の写真展“QUEEN ELIZABETH II by Cecil Beaton”。かわいいプリンセス時代や即位時の毅然とした顔、母としての顔など、貴重なポートレートの数々は必見だ。

 ターナーなどを常設展示にするロイヤル・アカデミー・オブ・アーツの企画展、ディビッド・ホックニー“A BIGGER PICTURE”も注目。ホックニーは米国滞在も長いが、1937年、英国ウエスト・ヨークシャー生まれ。壁面いっぱいに飾られたヨークシャーの原風景が広がる大きな絵は、不思議な遠近感と見事な色彩で、その場に立っているような錯覚に陥る。75歳になろうとするアーティストとの才気あふれる作品が並ぶ。

おびただしい数のポートレートが並ぶ。人物模写の練習をする学生も  もう一つ特別展として人気を集めているのがナショナル・ポートレート・ギャラリーの“LUCIAN FREUD PORTRAITS”。ルシアン・フロイドは精神分析医フロイドの孫であり、独特の視点と筆致のポートレートは、世界最大の肖像画コレクションを誇るナショナル・ポートレートでも異彩を放っていた。このギャラリーの最上階にあるポートレートレストランは、ビッグベンやロンドンアイを望む絶景が評判のお洒落な穴場レストランになっている。