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クラツー、東北旅行への再訪希望は95%、応援消費も多く-東北旅行調査で

  • 2012年3月5日

 クラブツーリズムが、震災後に東北6県を訪れた旅行者603名を対象に実施した意識調査で、再度東北を訪れたいと希望した人は全体の約95%にのぼった。旅行前に不安があった人でも旅行の満足度や再訪の希望は高く、復興支援のために観光するという目的の人が多い。また、東北旅行中のお土産や買い物に使った消費金額は平均1万8630円で、観光庁が調査した消費額の平均8372円と比べても2倍以上を消費しており、復興をめざす“応援消費”につながっていることもわかった。

 同社では、震災後に東北地方への旅行者が減少したことから、「こころを旅でとどけよう」をメッセージに、震災後に東北方面への旅やイベントを実施。また、旅行先としての東北に対する意識を把握するため、東北旅行の目的や実際に訪れたときの感想、今後の東北旅行の意向などについて調査した。対象となるのは5月から12月までに同社主催ツアーで東北6県へ旅行した20代から80代の男女1000名で、有効回収数は603名だった。また、参加者のうち、60代が48.6%、70代が30.7%、50代が11.6%と年配層が多かった。

 東北を訪れた目的は「復興支援の思いから」という人が66.2%で1位となった。次いで、「観光スポットの訪問やお祭りなどのイベント」、「世界遺産の訪問」など、通常の観光を目的とした理由も多かった。東北を訪れる前に不安に感じたことは、「余震の可能性」が68.7%と最も多く、次いで、「被災地の方への迷惑」「復興活動の邪魔になるのではないか」といった現地への配慮から不安に思う様子が見られた。また、震災後半年以内に訪れた旅行者と半年以降に訪れた旅行者とでは、観光で訪れることが現地で迷惑になるのではないかと心配する人が増える傾向があった。

 東北旅行の印象を自由回答で質問したところ、観光客の少なさを指摘するコメントが多く挙がった。また、地元民から歓迎されたというコメントも多く見られた。東北を訪れた感想については「訪れて良かった」が約96%で、東北を再訪したいという人は約95%を占めた。これにより、現地でおこなう復興支援の選択肢のひとつとして観光を挙げ、前向きに検討していることがわかった。さらに、旅行後、被災地の復興や問題などに以前よりも興味を持った人は約87%で、観光が復興支援への関心を高めていることがわかった。

 クラツーでは、震災から1年が経ち、東北地方への旅行者減少とともに震災に関する問題が風化していくことが懸念されるものの、東北地方を訪れ実情を知ることで風化せずに被災地への関心や復興支援への思いが高まるのではととらえている。