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アクセスランキング、1位は燃油費値下げ、2位は楽天

  • 2012年2月24日

[総評] 今週は、先週金曜日の夜に掲載した燃油サーチャージ値下げのニュースが1位になりました。実際の燃油の市況価格は大きく変化していないのですが、円高などの影響を考慮して適用条件自体を引き下げたということです。燃油サーチャージの値下がり自体は歓迎すべきことですが、長距離線で往復5万円が4万7000円になっただけですから、大きな変化ではありません。

 日本航空(JL)の3月までの正規割引運賃を見ると、例えば欧州では往復3万4000円からに設定してい、これとは別に5万円の燃油サーチャージを徴収するわけです。本体運賃よりも高い「付加運賃」など冗談のようですが、何かのキャンペーンで無料航空券が当たっても燃油サーチャージが5万円かかるという事態もあり得ます。これが4万7000円になったからといっても喜べるものではありません。

 個人的に最大の疑問は、燃油サーチャージが一番安い(欧州で往復7000円)のタイミングで、あるいは「非適用」の際にも同じ3万4000円からの運賃を設定できるのかという点です。もしそれができないのであれば、透明性などあったものではありません。需要や景気などその他の条件が異なり検証が難しい問題ではあるものの、重要なポイントでしょう。

 法的な制約の有無はわかりませんが、「空席連動型運賃」が販売できる時代ですから「燃油連動型運賃」も技術的には設定可能でしょう。日本旅行業協会(JATA)は「燃油サーチャージの本体運賃への組み込みによる廃止」の目標を取り下げてはいないはずですので、是非とも働きかけを活発化してほしいものです。(本当は消費者側の声が高まるか、旅行業界として集約できれば良いのでしょうが…。)

 さて、このほか今週は楽天トラベルがシンガポールに現地法人を設立した記事が2位に入っています。日本と現地との相互送客だけでなく、第3国を含めた世界規模での事業展開をめざしている会社はいくつかありますが、楽天トラベルは海外で表現するところの「OTA(Online Travel Agent)」ですからエクスペディアなどの「巨人」と真っ向から勝負することになり、他社とは異なる競争環境になるのではないかと推察します。

 また、最近流行りのLCCも本来はインターネットでの直販を最重視しますが、東南アジアの一部ではインターネットが十分に普及していないこともあり、店舗をかまえる必要があると聞いたことがあります。その意味でも楽天トラベルが彼の地でいわゆる「発営業」に取り組む時に、どのような方法を選ぶか非常に興味深く感じています。(松本)


▽日刊トラベルビジョン、記事アクセスランキング
(2012年2月第4週:2月17日21時~2月24日17時)
第1位
日本航空、燃油サーチャージ値下げ、「適用表」変更で(12/02/17)
全日空も燃油費値下げ、4月発券分から適応条件変更(12/02/23)

第2位
楽天トラベル、海外事業強化-シンガポールに拠点設立、北米も(12/02/21)

第3位
デルタ航空、B747-400型機の内装刷新-ビジネス、エコノミーのシート変更(12/02/20)

第4位
日本/ニュージーランド、成田自由化、羽田も可能に-以遠権も(12/02/19)

第5位
アメリカン航空、年内の再上場めざす、1.3万人削減など再建策(12/02/19)

第6位
ガルーダ・インドネシア航空、羽田線就航で新たな旅行スタイルを提案(12/02/22)

第7位
スペシャリスト・インタビュー:ダイナスティーホリデー 右田美幸さん(12/02/20)

第8位
ホールセール特集(1):上期商品は「質」重視、商品拡充や早期取込策も(12/02/22)

第9位
16年の供給座席5400万席も、旅行会社は「価値」で販売を(12/02/20)

第10位
キャセイパシフィック航空、残席連動型運賃を導入-12年4月から(12/02/21)